伍壱：「呪われたひな祭り」 貴&一 ページ27
一松side
「これ、ですか。慎ちゃん」
「なんか…日本文化に触れろだと」
「へぇ……でもこの時期にお雛様なんですね…」
変な話もあるものだ。
しげしげとお雛様を眺めているAは、不思議そうに首をかしげた。
まぁ、お雛様おかしなことにお内裏様と五人囃子一人しかないし…。
それでもチャイムがなりそうだから、と慎ちゃんに言われ、しぶしぶ教室に入る。
その前に、今日部室に来てください、なんて言われたから、多分あのお雛様になんかあるんだろうけど。
そして放課後。
ゆっくりと歩いていると、お雛様の前を通り過ぎる。
……ん？
少し違和感を覚え、お雛様の方を振り返った。
そこにはすました顔で前を見据えるお内裏さま二人に、五人囃子の一人。そして、五人囃子が一人増えていた。
…あぁ、届いたのか。
でも一人だけなんて変なの。
その時はそこまで疑問に思うこともなく、部室へ向かう。
「あ、遅かったですね」
「先生に捕まっちゃってさ…ところで、どうかした？なんか、お雛様見て不思議がってたけど…」
「あぁ、そうなんですよね」
私の家にも大きなお雛様が一式あるんですけど、と語り始めたAは、ガタッと椅子に腰掛ける。
俺もその前の椅子に座ると、Aは、変なんですよね、と前のめりになって言う。
何が？
俺の家には男兄弟しかいないし、お雛様は置いていない。
あるとすれば鯉のぼりかな…。
あのお雛様、と言って眉間に皺が寄るA。
どこらへんが変なのかはわからないけど…。
「いやぁ、うちのお雛様、お祖母様がそれはそれはたいそうなものを職人に作らせまして…そのお雛様はすごく可愛らしいお顔をしていらっしゃるんですよ」
待って。
Aの家ってそんなに金持ちなの？
困惑している俺を置いて、Aはつらつらと語り出した。
「あのお雛様、顔が変っていうか…私の家にあるお雛様と顔が違うっていうか…」
「そりゃあ…そうなんじゃないの？職人が作ってたら、その職人ごとにも、日にもよって顔は変わってくると思うよ」
「いや…そうじゃないんですよ。変っていうのは、なにか…悲しそうな、恐怖に怯えた顔をしているというか…」
おかしいです、と言ってAはにこりと笑った。
見にいきましょうか、と言っているみたいで、やっぱりAには逆らえないんだと思う。
見にいく？とこっちから言えば、一松が乗り気になってくれて嬉しいです、と頬を綻ばせた。
……乗り気ではないんだけど、Aが嬉しそうだから黙っておこうかと思う。
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松々先輩(プロフ) - 松野美海さん» 自我失礼します……私の推しはもっぱら一松です……あの卑屈感がたまらないです最高です (2022年9月30日 0時) (
レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
松野美海 - 凄く面白いです！最初から読んでたら時間が…！つい夢中になってました！更新頑張って下さい！待ってます！ちなみに松々先輩さんはなに松推しなんですか？私はチョロ兄です☆((( (2022年9月30日 0時) (レス) @page28 id: b94de068e4 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - kuuさん» 一「ほんとに、ムカつくよね……一定数いるよ、あーゆうクズ…あ、僕もそれなりにクズだけど。フヒヒ……応援ありがと、励みにしてこれからも頑張るね…」 (2022年1月27日 3時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
kuu - 子犬の話し本気で泣きました！なんかすごく話しなんですけど腹たちました！こんクソ野郎！すごく怪奇百鬼夜行の話大好きです^ - ^応援してます (2022年1月26日 8時) (レス) @page23 id: 1c1723a482 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 月花さん» チ「あぁ、そうだね、ありがとう。もう4作目になるんだね。これからもよろしくね」夢「えっ、それで終わりですか？もっとあるでしょう！！えーっと、この作品を読んでくれてありがとうございます！是非次回のお話も楽しみにしてください！ありがとうございました」 (2020年10月5日 0時) (レス) id: 884552bd5f (このIDを非表示/違反報告)
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