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しばらく無言でガサガサしている。
まぁAは静かなのが嫌いだから、六つ子(多分この前の十四松クンとか)の話をしたり、学校での話をしたり、今まで除霊してきた霊の話をしたりしていた。
それをオレは黙って聞いている。
「ぁ…」
「それでその時、お兄ちゃんが___」
これ……。
茂みに隠れて見えないけど、ここだけ草が他より薄い気がする。
絶対ここじゃん。
「A、見つけたぞ〜」
「…宮ちゃん、私の話を聞いてませんでしたね?」
「聞いてるって〜。アレだろ?結兄さんがそのカラマツクン?と会った話だろ」
ちゃんと聞いてるし…と聞いていたのになぜが不服そうなAの小さな手を引いて茂みに入る。
しばらく歩くと、綺麗な道に出た。
でもこの荒れ方からしてしばらく使われていないんだろうな…多分…明治時代が最後ってところか。
綺麗な場所、と言ったのは、霊的に、と言う意味だ。
誰が封印したのか知らないが、何かが眠っている、と言うのはわかる。
明治から今まで、ずっと封印を続けてきた。そしてこれからも。
かなり力の強い霊能者だったことは明らか。
「…上に上がってみますか」
綺麗な場所、と呟いたAは止まることなく道を進む。
とても綺麗な場所だ、と言うのは頷ける。
人類は、自然にはどうあがいても勝つことは不可能。
栄えた街も、都市も、いつかは自然に飲み込まれる。
人が住まなくなった廃村は、必ず自然に飲み込まれ、いつかはその存在さえ忘れ去られる。所詮人間は自然界の膨大な力に勝つことはできない。
それを象徴するかのような道だった。
「……こう見ると、人間なんて無力に等しいんですよね」
戦争は人類が起こした愚かな行為。
それは自然に大きな傷跡を残していった。
それなのに
「そーだな。Aと同じこと考えてた」
「ゲッ、やめてくださいよ。同じ思考回路みたいじゃないですか」
「酷くね」
もう何もかもカワイーと思うのは手遅れだとして、スカート短くね?
え、あれダイジョーブなの?ゼッテーダイジョーブじゃねえ。
これだから変な男に狙われるんだよ。確かにスカートの方が足が動かしやすいのはわかるけどさ。
でもこれについて会議になったらしいし…ちなみにAの兄である結兄さんは、断固反対派。反対派は一人だったらしい。
オレらがちっせぇ時の話だからその議論には入れなかったんだけど、今なら絶対反対派だわ。
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松々先輩(プロフ) - 松野美海さん» 自我失礼します……私の推しはもっぱら一松です……あの卑屈感がたまらないです最高です (2022年9月30日 0時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
松野美海 - 凄く面白いです!最初から読んでたら時間が…!つい夢中になってました!更新頑張って下さい!待ってます!ちなみに松々先輩さんはなに松推しなんですか?私はチョロ兄です☆((( (2022年9月30日 0時) (レス) @page28 id: b94de068e4 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - kuuさん» 一「ほんとに、ムカつくよね……一定数いるよ、あーゆうクズ…あ、僕もそれなりにクズだけど。フヒヒ……応援ありがと、励みにしてこれからも頑張るね…」 (2022年1月27日 3時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
kuu - 子犬の話し本気で泣きました!なんかすごく話しなんですけど腹たちました!こんクソ野郎!すごく怪奇百鬼夜行の話大好きです^ - ^応援してます (2022年1月26日 8時) (レス) @page23 id: 1c1723a482 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 月花さん» チ「あぁ、そうだね、ありがとう。もう4作目になるんだね。これからもよろしくね」夢「えっ、それで終わりですか?もっとあるでしょう!!えーっと、この作品を読んでくれてありがとうございます!是非次回のお話も楽しみにしてください!ありがとうございました」 (2020年10月5日 0時) (レス) id: 884552bd5f (このIDを非表示/違反報告)
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