肆捌：「青い清冽」 貴&宮 ページ14
宮太郎side
青く澄み渡るあの空を湖畔に写したそれは、水面を動かすことなく静かにそこにあった。
聞こえるのは、どこから流れているのかわからない清流のせせらぎと、鈴のような小さな鳥の声。
果たして、それを見て人間は声を出すことができるんだろうか？
それはまさしく神の聖域だった。
───────…
「宮ちゃん？どうかしたんですか？」
「ぁ、いや、なんでも」
再従兄弟のAと、鶴羽家(もとい旅館)の蔵を片付けている時、気になるものを見つけた。
赤い紙を丸めて、紫色の糸で結んだような巻物。
糸の劣化からして、かなりの代物だと思う。
昌ちゃんは一体どこへ消えたんですかねぇ、と言いながら手を動かすA。
細かい作業は苦手だと言っていたのも納得できるくらい不器用だ。
さっきも積んでいた段ボールをぶちまけたところだし。
正直オレ一人でやった方が早いっちゃ早いんだけど、これも可愛いから放っておいて見ている。
それにAと一緒に居られる時間は長い方がいい。
また巻物の入った段ボールをぶちまけているAを横目に、オレはその赤い巻物を開いてみた。
……読めねぇ。
「珍しいもの見つけましたね」
「うぉっ！？」
いつの間にか後ろに立って巻物を覗き込んでいたAに驚く。
たまにコイツは気配を消して近づいてくるからやりきれない。
それに、誰だってこんな(黙っていれば)美人な女と距離が0になればバクバクと心臓がうるさくなるものだと思う。
「読めんの？」
「はい、一応。お祖母様に古文は叩き込まれたので」
絵本は漢文でした、と言うAの幼少期はかなりエゲツないものだったと予想できたところで、本題に戻ろう。
これがなんなのか、だ。
「コレなんだと思う？」
「それは聖域のことについて書いている本ですよ」
すぐさま解決した謎。
でももう一つ謎が。すごく単純なことだけど…ここどこなんだ？
なんか、知ってる気がすんのはオレだけかな。
そんなに良いとは言えない頭を捻っていると、そこすぐ近くですよ、とお世辞にも頭がいいとは言えないAが口を出す。
……すぐ、近く？
「はい。そこの山の中にある神社の横の池じゃないですか？」
「へぇ…あんな山に神社あるんだ」
ここは山に囲まれている場所で、四方は四つの山に囲まれている。
この家から見て西にあるのが妖山(実際の名前はオレは知らない)、東にあるのが赤塚山(ダムがある)、北にあるのが巫山(実際は知らない)、南にある山は知らない。ただの山。
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松々先輩(プロフ) - 松野美海さん» 自我失礼します……私の推しはもっぱら一松です……あの卑屈感がたまらないです最高です (2022年9月30日 0時) (
レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
松野美海 - 凄く面白いです！最初から読んでたら時間が…！つい夢中になってました！更新頑張って下さい！待ってます！ちなみに松々先輩さんはなに松推しなんですか？私はチョロ兄です☆((( (2022年9月30日 0時) (レス) @page28 id: b94de068e4 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - kuuさん» 一「ほんとに、ムカつくよね……一定数いるよ、あーゆうクズ…あ、僕もそれなりにクズだけど。フヒヒ……応援ありがと、励みにしてこれからも頑張るね…」 (2022年1月27日 3時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
kuu - 子犬の話し本気で泣きました！なんかすごく話しなんですけど腹たちました！こんクソ野郎！すごく怪奇百鬼夜行の話大好きです^ - ^応援してます (2022年1月26日 8時) (レス) @page23 id: 1c1723a482 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 月花さん» チ「あぁ、そうだね、ありがとう。もう4作目になるんだね。これからもよろしくね」夢「えっ、それで終わりですか？もっとあるでしょう！！えーっと、この作品を読んでくれてありがとうございます！是非次回のお話も楽しみにしてください！ありがとうございました」 (2020年10月5日 0時) (レス) id: 884552bd5f (このIDを非表示/違反報告)
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