〃 ページ12
「それに……」
私が今ここで出ても、おかしいと思うんだけどなぁ。
男子生徒は、一生懸命に女子生徒に話しかけている。
それを女子生徒は、まるで聞こえていないかのように無視して本を読み続けていた。
それは、当たり前の話なんだけどね。
だって、
御察しの通り、この男子生徒は死んでいる。既に幽霊になっているのだ。
それに気づかないで、今でも愛しい恋人を探し続ける。
なんて悲しい恋慕の情人だろうか。
それでも、私がそれを言ってしまうのもできないのだ。
納得はしないだろう。
大概そうなのだ。自分が理解はしても、納得をしていない霊は多い。
そして浮遊霊となっていつまでも彷徨う。
私の役目は、この男子生徒を納得させて、成仏させること。
だから一肌脱いでやろう。
「……少しお話、良いですか？」
「？はい」
私は、本を閉じて帰ろうとした女子生徒に話しかけた。
その女子生徒は困惑の表情を浮かべ、綺麗で艶やかな黒髪を揺らす。
「お名前をお伺いしても？」
「あぁ……私は葉山昇です」
「では葉山さん。貴女、最近喧嘩をしたまま音信不通の彼氏がいましたか？」
「ぇ……はい…」
ビンゴ〜！私ったら今日は冴えてる。
「今、貴女の横にその彼氏さんがいらっしゃいます、と言って信じますか？」
「…！はい……さっきからずっと、懐かしさを感じていたんです」
「会いたいですか？」
「……できることなら」
「え？え？待って、なあ、さっきからなんだよ。俺、見えないことになって……」
混乱した男子生徒。
面倒な予感…でもフラグをへし折るのが私、鶴羽一家だ。
「私の手を取って、目を瞑ってください」
手を差し出すと、恐る恐る手を乗せる葉山さん。
私はそっと目を瞑って、霊力を少しだけ葉山さんに送り込む。
「目を開けてください。見えますか？」
「……！ッ……幸…！」
その綺麗な瞳に、男子生徒を映す。
幸と言うのか。
「落ち着いて聞いてください。貴女の彼氏さんは、既にお亡くなりになっています。それでも貴女を探して、今でも彷徨っていたのです」
「俺が……死んだ……？」
「貴方も、信じられないでしょうが、これが現実なんです。受け止めてくださいね。そして、成仏して来世を待ちましょう」
淡々と述べる私を一松が何か言いたげに見つめてくる。
私だってこんなことは言いたくない。それでもこれが、悲痛な現実なのだ。
あぁ、世は無情だなぁ。
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松々先輩(プロフ) - 松野美海さん» 自我失礼します……私の推しはもっぱら一松です……あの卑屈感がたまらないです最高です (2022年9月30日 0時) (
レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
松野美海 - 凄く面白いです！最初から読んでたら時間が…！つい夢中になってました！更新頑張って下さい！待ってます！ちなみに松々先輩さんはなに松推しなんですか？私はチョロ兄です☆((( (2022年9月30日 0時) (レス) @page28 id: b94de068e4 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - kuuさん» 一「ほんとに、ムカつくよね……一定数いるよ、あーゆうクズ…あ、僕もそれなりにクズだけど。フヒヒ……応援ありがと、励みにしてこれからも頑張るね…」 (2022年1月27日 3時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
kuu - 子犬の話し本気で泣きました！なんかすごく話しなんですけど腹たちました！こんクソ野郎！すごく怪奇百鬼夜行の話大好きです^ - ^応援してます (2022年1月26日 8時) (レス) @page23 id: 1c1723a482 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 月花さん» チ「あぁ、そうだね、ありがとう。もう4作目になるんだね。これからもよろしくね」夢「えっ、それで終わりですか？もっとあるでしょう！！えーっと、この作品を読んでくれてありがとうございます！是非次回のお話も楽しみにしてください！ありがとうございました」 (2020年10月5日 0時) (レス) id: 884552bd5f (このIDを非表示/違反報告)
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