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「そしてこれが古い電話帳です」
ここ見てください、と言って私は旧赤塚村の電話番号を指す。
そして、自分の電話記録も。
御察しの通り、その電話番号は旧赤塚村の電話番号だった。
ダムに沈んだ村からの着信。これほど面白いことはあるのか。
昨日も電話はかかってきた。
それを取って、じっくりと聞いてみる。
コポコポ、と何かの音がした。
言わずもがな、泡の音である。
「掛かってくるはずのないところから電話がかかってきたんですよ！これはきっと何かあります」
「行くの？」
「はい！十四松もどうですか？もしかしたらダムに引きずり込まれる可能性もありますけど」
それを聞いた十四松は、じゃあついていく、と意味不明なことを言った。
なんでわざわざ危険があると聞いてついてくる決断をするんだ？
私だったら、『あそこ殺人鬼がいるよ』と言われて『じゃあ行く』とはならない。
だが十四松が付いてきてくれると嬉しい。
一人で行くのは少し気がひけるのだ。
昔あそこで友達が亡くなったから。
こなし山、と呼ばれる赤塚ダムのある山は、私達が昔よく遊んでいた場所で、霊を感知しすぎて普通の人に見えていた私は危険な場所であることも知らず、友達をダムに誘ってしまう。
普段はあそこは怖い、と言って近づかなかった友達だったが、その日はやけに上機嫌だったことを覚えている。新しい携帯を買って貰ったんだとか、なんとか。
そして、友達はダムに沈んだ。
警察が来て、捜索班も出動し、かなり大ごとになった。ここで住んでいれば誰だって知っている行方不明事件だ。
だが、死体も、ヒントすら見つけられずにその事件は“未解決”として幕を閉じる。
確かに、見たのに。ダムの中に沈んでいく、あの目。恐怖を具現化したような、冷たい光のない目。
私に助けを乞う為、伸ばした右腕。見えていた白い手が消えていくあの静かな時間。
後に残るのは暗闇。
あの時私は、初めて恐怖を感じる。本当に怖いのは幽霊でも化け物でもない。人の死ぬ前の顔。
今日は丁度、友達が行方不明になって10年目。
お墓まいり、と言うのもなんだが、それも踏まえている。
「十四松は、覚えてますか？」
「何を？」
「10年前の、行方不明事件です」
不可解な謎の多い事件だ、とのちに警察は語る。
それもそのはず。
その少女の証言しかない上、証言通りであればダムの底に女の子が沈んでいるはずなのだ。しかしそのダムに入る道は塞がっていて通れない。
齢6歳の女児が嘘をつくとも思えない。
わからない。それで事件は終わった。
筈だった。
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松々先輩(プロフ) - 松野美海さん» 自我失礼します……私の推しはもっぱら一松です……あの卑屈感がたまらないです最高です (2022年9月30日 0時) (
レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
松野美海 - 凄く面白いです！最初から読んでたら時間が…！つい夢中になってました！更新頑張って下さい！待ってます！ちなみに松々先輩さんはなに松推しなんですか？私はチョロ兄です☆((( (2022年9月30日 0時) (レス) @page28 id: b94de068e4 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - kuuさん» 一「ほんとに、ムカつくよね……一定数いるよ、あーゆうクズ…あ、僕もそれなりにクズだけど。フヒヒ……応援ありがと、励みにしてこれからも頑張るね…」 (2022年1月27日 3時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
kuu - 子犬の話し本気で泣きました！なんかすごく話しなんですけど腹たちました！こんクソ野郎！すごく怪奇百鬼夜行の話大好きです^ - ^応援してます (2022年1月26日 8時) (レス) @page23 id: 1c1723a482 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 月花さん» チ「あぁ、そうだね、ありがとう。もう4作目になるんだね。これからもよろしくね」夢「えっ、それで終わりですか？もっとあるでしょう！！えーっと、この作品を読んでくれてありがとうございます！是非次回のお話も楽しみにしてください！ありがとうございました」 (2020年10月5日 0時) (レス) id: 884552bd5f (このIDを非表示/違反報告)
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