怪奇百鬼夜行｛壱｝

拾漆：「化け物お面」 貴&カラ ページ45

カラ松side



ザーッ


「降ってきましたねぇ…」
「あぁ…空もきっと悲しいことがあったんだろう」


そういうと、彼女はそうかもしれませんね、と微笑んだ。

Aと下校中、雨に降られた俺たちは今雨宿りをしている。



「でも…いつ止むんでしょうか？」
「A！この廃墟、中も綺麗だし少しココで休んで行かないか？」


後ろを見てそう言うと、Aは少し迷ってそうですね、と鞄を持った。


ギィッと嫌な音を立てて開くドア。
洋館か……。


なかなかいい趣の家だな…。


「電気……は、流石に点きませんか…」
「まぁ雨が止むまでの間だし、大丈夫だろう」


キョロキョロと辺りを見回すAにそう言ってとりあえず拭くものを探す。

無いよりマシだろう。


「ん……？」


階段に差し掛かったとき。
ふと上から視線を感じ、顔を上げた。


そこには何とも言えない不気味なお面が。

人間の顔が施され、なかなか上手いんだが、やはりどこか不気味さを感じる。



俺はそのお面を少し気にしながらも、階段を通り過ぎた。


「A、あったぞ！」
「あ、ありがとうございます！」
「あぁ、ところでさっき、階段の上に人間のお面を見つけたんだが…」


すごく不気味だったことを伝えると、見に行きましょうか、と言う。

それがいつもとは違い、真面目そうな雰囲気だったので俺は首を縦に振った。


「コレがそのお面ですか……」


形状から見るに作られたのは戦国時代でしょうかね…とお面を手に取って言うA。
こう言う妖ものに詳しいA。


「…すごい妖気を感じますが、まぁこの程度なら放っておいても大丈夫ですね」
「そうなのか」


雨は止みそうに無いですし探検でもしますか？と切り出すAに頷いて、その家を探索することにした。


「にしても、あのお面不釣り合いですよね。こんな洋館にあんなもの置くなんて…よほど魅入られたんでしょうか？」
「あぁ、だから不思議な感じがしたのか…」


でもどうして空き家なんでしょう…と色々見て回りながら言うAの言葉に確かに……と納得する。
コレほどまでに大きい家、少々高くてもすぐに売れるはずだ。


何かあるのか……？



「ウチにもお面を除霊して欲しいってお客様が泊まりにくるんですよ」


除霊分野だとお祖母様が能力に長けているんですけど、と言ったA。
Aでも低級霊は近づくだけで破裂するのに…Aのお祖母さんは、一体どんな力を……？

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