〃 ページ35
ダッシュで階段を駆け上がる。
1階から4階までなんて、大した高さじゃないはずなのに長く感じている。
後ろから死神が迫って来ているのがわかるが、不思議と焦ってはいない。
なぜか安心感さえ感じている。
とんだ馬鹿だな、と自虐しながら屋上の扉を勢いよく開け放った。
赤い、月さえない空が目の前に広がって私の目を捉える。
なんだコレは。
パッと後ろを振り返って死神がまだ見えないことを確認した。
うん、まだ…大丈夫。
しかし、恥ずかしながらドリームキャッチャーをどう使うか知らないのである。
昔お祖母様に言われたことは覚えているんだが、内容までは記憶していない。
やっぱり馬鹿じゃないか、自分。
おそ松の事馬鹿にできないな、なんて思いながらフェンスを揺らしてみるがビクともしない。
ココ、昼はみんなでワイワイ楽しく食事していたのに…。
「……まぁ、明日も楽しく食事しましょうか…」
薄く笑って振り返ると、扉のところには黒いベール。
やっとですか…。
「遅かったですね!」
やっぱり何も返ってこなかったが、私は一人で話し続ける。
「途中で諦めたんですが、多少なりとも役に立ちそうな物を見つけてしまいまして…死神様にもコレは想定外だったでしょう?私もですよ。感謝しますね、友人に」
ドリームキャッチャーをギュッと右手に握る。
冷や汗がにじむが、今それに構ってはいられない。
「…私、予定では100歳超えても生きるつもりなんですよ」
だから、もうちょっと待ってくださいね!と言って襲いかかって来た死神にドリームキャッチャーを投げつける。
私は運動神経は良いと自負しているので、コントロール力には自信はあったが、顔面を狙うのはやめておいたほうがよかったか。
流石に失礼にあたるか……?
見事に顔面に当たったドリームキャッチャーは、死神を封印した。
死神って封印できるんだ…。
「コレ…置いていきましょうか」
さぁ、目を覚まそう。
「…お」
目を覚ますと、やっぱり3時。
だが明日から起こされることもなくなるのだ。
そしてもう一度寝た。
「チョロ松ー!無事でしたよ!私!ありがとうございます!」
「え、何もお礼されることしてないんだけど…」
お昼時、チョロ松にそう話しかける。
チョロ松のおかげでドリームキャッチャーを思いついたんだ、お礼を言わせてもらう。
「まぁ生きてて良かったね」
「はい!」
視界の端でキラリとドリームキャッチャーが光った。
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松々先輩(プロフ) - 兎羽さん» ト「もしかすると、もしかするかもね〜!とにかくすっごい強いんだよ!って言ってた」 (2020年3月13日 16時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 月花さん» 一「へぇ〜…ハムスター、残念だったね。更新頑張るって言ってるから、今度もよろしく。それじゃ、」 (2020年3月13日 16時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
兎羽(プロフ) - 松野家にいる守護霊ってもしかして赤塚s (2020年3月13日 15時) (レス) id: 03c9ebeac8 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 今さっきのコメ間違いがひどくてすみません、私は松がのところは一松がです、スキッテ=イウカは=なくして読んでください。カタコのところはカタコト笑です。ガチで誤字ばっかですみません!いつも応援してます! (2020年3月12日 18時) (レス) id: 23cb55ce5b (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 私のハムスターも3匹死んでしまったのでその霊に一度は会ってみたいと思ってしまう自分がいる… 更新頑張ってください。 私は松がスキッテ=イウカナントイウカ…… (カタコ読みずらかったらすみません。(言うのが恥ずかしい//) とにかく!更新頑張ってください (2020年3月12日 18時) (レス) id: 23cb55ce5b (このIDを非表示/違反報告)
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