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「にしても、私詳しくは知らないんですよ…体育倉庫がある理由で開けられなくなったって聞いただけで」
「なのに試そうって言ったんだ…凄い、勇気あるね…」
それは褒められてますか!?と嬉しそうなA。
うん、別に褒めてはいないかな。
………にしても……。
Aの服、どうにかならないかな……。
家にいたとはいえ、短パンにお兄さんのものであろうTシャツ……正直、萌えるっていうか…。
全然気にしてないA、凄いよね、ホント。
「…これはー…開かずの扉ですかね?」
「いや、僕知らないけど…」
あちこち調べまくるA。
僕は暗い体育館を見回す。
「…どうして、昼間は何にも怖くないのに、夜になると不気味なんだろう…」
突如思いついた疑問を呟く。
すると目の前のものに集中していた筈のAがその質問に答えた。
「それは、暗くなるとそういった類のものが集まりやすくなるからですね。それはどこでも一緒ですが、学校は特に集まりやすい場でもあります。恐怖を抱いていると取り憑かれやすくなりますよ」
「…嫌なこと言わないでよ。あ、そこ開きそうじゃない?」
でも……Aの周りにいるときだけは、怖くないんだ。
なぜなのか安心感を覚える。
僕は一緒になってドアの開く方法を探した。
「……鍵、開きますかね?」
「えー?見てなかったの?」
「まさか開くと思わないじゃないですか」
しばらくガチャガチャやっていると、ガチッと音が鳴って案外簡単に扉は開いた。
…………なんだそれ。
「でも……こんなに簡単に開くんだから、ここが開かずの体育倉庫ってわけじゃなさそうですね…他に扉があるはずです、が」
チラッと壁の奥を見たA。
何があるんだろう……。
「……もう、場所はわかりますよ。霊気を感じますし、何よりお札が貼っていますし」
これでも霊気を感じるなんて相当ですね。と剥がれそうな小汚い紙をなぞるAの細い指。
じゃあ……あの、煤けた扉が…?
「……昔、火事があったんですよ」
「…この学校?」
「はい。その時の発火地点は、理科実験室だと言われています。全焼した教室は、放送室や理科室含め、かなりの教室らしいですが…その中に、この体育館倉庫も。この扉の奥に人がいたんです」
出られなかったんでしょうね…と言うAちゃんは悲しそうに見えた。
一人、暗闇に何十年も閉じ込められて……。
僕だったら、耐えられない。
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松々先輩(プロフ) - 兎羽さん» ト「もしかすると、もしかするかもね〜!とにかくすっごい強いんだよ!って言ってた」 (2020年3月13日 16時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 月花さん» 一「へぇ〜…ハムスター、残念だったね。更新頑張るって言ってるから、今度もよろしく。それじゃ、」 (2020年3月13日 16時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
兎羽(プロフ) - 松野家にいる守護霊ってもしかして赤塚s (2020年3月13日 15時) (レス) id: 03c9ebeac8 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 今さっきのコメ間違いがひどくてすみません、私は松がのところは一松がです、スキッテ=イウカは=なくして読んでください。カタコのところはカタコト笑です。ガチで誤字ばっかですみません!いつも応援してます! (2020年3月12日 18時) (レス) id: 23cb55ce5b (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 私のハムスターも3匹死んでしまったのでその霊に一度は会ってみたいと思ってしまう自分がいる… 更新頑張ってください。 私は松がスキッテ=イウカナントイウカ…… (カタコ読みずらかったらすみません。(言うのが恥ずかしい//) とにかく!更新頑張ってください (2020年3月12日 18時) (レス) id: 23cb55ce5b (このIDを非表示/違反報告)
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