大嫌いな君と【カラ松】

７話 ページ9

「もうすぐ修学旅行があります」
「もう一度言ってください」


７限目の学活。
いいんちょが前に立ったので、何事かと思えば修学旅行の話。


「…もうすぐ、修学旅行があるんだよ、Aちゃん」

丁寧に言い直してくれるいいんちょにお礼を言って髪をいじる。
結構楽しみだ。

少女漫画にあるようなドキドキイベントは無いにしろ、それなりに楽しいはずだ。


「はぁ……」
「ちょっと、横でため息つかないでよ。幸せが逃げる」
「お前の幸せは全部俺が貰う」



ふざけんな渡さねぇよ。と言ってクジを引く。
班のクジは、別に誰となりたいとかはないがなりたくないやつとだけはなりたくない。


「お前、何班だ？」
「何よ、そっちが先言って」
「俺はお前に聞いてるんだ。俺のを言うとは言ってないだろう」
「二人とも一班ねー」

何で！？と黒板を見ると、確かに一班以外全員埋まっている


「ちょ！？異議あり異議あり！！」

却下でーす、とトントン、と机でプリントを揃えるいいんちょ。
やめて本当に。喧嘩勃発だから。

「楽しい修学旅行にするなら私達は離した方がいいと思います！」

そう言ってカラ松をチラッと見ると、確実にイラッとした顔をしている。
何でだ。


「いいや、委員長。俺とこいつは同じで良い。修学旅行を楽しんでくれ」


ポン、と肩に手を置いたカラ松を睨むと、仲良くしような、A？とにこやかに笑いかけられた。


スッゲェムカつく。


「あーそうですね、クソ松さん」
「殺されたいか？」
「サイコパス怖」

また喧嘩が始まりそうな雲行きになった時、チョロ松が間に入る。

「まぁまぁ二人共。バスの席が隣になったわけじゃないんだし……」
「バス座席は今の隣の人とです」
「…………」


ダメじゃん、とチョロ松を見る。
ダメじゃん。


「……部屋は一緒じゃないでしょ、流石に…」
「部屋割りは班です」
「もう私終わりだ……」
「人生ここで終われば良いと思うぞ」


これ僕がなだめ役なのかなぁ？と顔をひきつらせるチョロ松にそうね、と微笑みかける。


「死のう、そして死のう」
「まだ人生諦めちゃダメだから！」
「もう人生も終わったような物だって……」
「なぁ、チョロ松。こんなに失礼な女に今まであったことがあるか？」
「女に指を指す男もどうかと思うけど」


ピリピリとした空気が走る。
まぁ明日は休み、こいつに会うこともない。


「明日一緒に買い物行かない？」
「ごっめ〜ん、A！明日お店手伝うの〜」

…一人…？

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