３８話 ページ40
だだだだ誰か入ってきたんだけど。
頭をフル回転させてこの状況をどうにかしよう。
「も、潜ってろ！」
「んぶっ！」
カラ松を無理やりベッドに押し込み、私がもともと寝ていたかのように見せる。
……あ、でもこれでカラ松どこって聞かれたら…。
「え、どうしたの、A…」
「あ、おそ松！チョロ松！」
入ってきたのは、ジャージを着た二人。知り合いか…やりにくぅ。
上着をきっちりと着ているチョロ松と、上着を腰に巻いているおそ松。対称的な二人だが、よく一緒にいる。実はチョロ松は昔悪童だったとか。
どうしたの？と聞くと、おそ松兄さんが指切った、と困ったように言ったので大方、おそ松が怪我した時に偶然居合わしたチョロ松が連れてくることになった…ということだろう。
まぁおそ松と一緒に保健室入る勇気のある女子なんて私とトト子くらいだもの。仕方ないわ。
「ところでAは大丈夫なの？」
「ひっ…！あ、あぁうん…まぁね」
もぞもぞとカラ松が動いて、足の間に入ってくる。きつかったか。
大丈夫じゃなさそうだけど…と心配して近づいてくるチョロ松に本当に大丈夫なことを全身全霊をかけて伝える。
嫌だ、死んじゃう。私恥ずかしさと苛立ちで死んじゃう。
「文化祭、準備頑張って！！」
「ほーい」
「うん…お大事にね」
気楽そうに出て行ったおそ松。お前はもう少し私をいたわれ。
いいよ、とため息をついてカラ松を出す。大きく息をついたカラ松は、私の顔を見るなりこう言った。
「A。もう少しウエストを絞ったらどうだ？」
「よし、私が思いつく中で一番残酷な方法でお前を殺す」
それでもくっついてられるだけで幸せで。
十分細いんだけど！？と言えば、そうか？とキュッとウエストを掴まれる。
やっぱ殺そう。
「…ねぇ、カラ松…あなた他の女子にもこんなことしてるの？」
「なんだ？ヤキモチか？」
「ッ……そ、そんなこと……」
ズルズルと這い上がってくるカラ松。
ジッと見つめられて、目をそらした。
「なぁ。A。答えろ」
「っ…は、ぁ？あんたに、ヤキモチなんて焼かなっ…」
でも、もしカラ松が他の女の子にもこんなことしてたとしたら…？
……嫌、かも。
「……少しだけ…」
「ん？」
「少しだけ、嫌……かも」
そう言うと、ギュッと手首を掴まれる。
痛い、と言えばははっ、と軽く笑った。
……なんか怖いんだけど。
「あんまり、煽らないでくれないか」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 202人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
松々先輩(プロフ) - 進撃のカラ松さん» いえいえ〜！こちらこそありがとうございます！あと1話、番外編がありますので、それまで気長にお待ちいただければ嬉しいです！ (2019年3月1日 7時) (
レス) id: 87a69031e6 (このIDを非表示/違反報告)
進撃のカラ松 - ありがとうございましたぁぁぁぁあ！！良かったです！！ (2019年2月28日 22時) (レス) id: 2a91d83e29 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - るんこさん» いえいえ！！こちらこそ、読んでくださりありがとうございます！番外編もありますので、あと二話、よろしくお願いします (2019年2月9日 22時) (レス) id: 3db3ef1937 (このIDを非表示/違反報告)
るんこ(プロフ) - 完結お疲れ様でした！このなんとも言えない距離感がすごい好きで、しかも最後の方とか発狂しそうでした笑笑とても面白かったです！素敵な作品をありがとうございました！ (2019年2月9日 20時) (レス) id: 01dc95890b (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - よつ葉@原色松推し(´ `*)さん» ありがとうございます！！私もカラ松大好きです！あぁいうノリ好きなので嬉しいです〜！ (2019年1月6日 23時) (レス) id: 3db3ef1937 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
