１２話 ページ14
「ここ本当に林なの？林…って言うより森って感じなんだけど」
「何を言ってるんだ、馬鹿女。ちゃんと林と書いてあるだろう」
「わかってるわよ、クソ男」
班別とは最悪の行事ではないか。
かろうじてチョロ松がいるため大喧嘩には発展していないが、かなり雰囲気が悪い。
チョロ松がいなければきっと殴り合いだろう。
改めてチョロ松のありがたさを実感した。
「あ、見えてきたよ、ほら」
チョロ松が指差した方を見ると、世界の向こう側にまで広がる海。
「わぁ…」
「こんな場所があったのか…」
素直に綺麗だ、と言う。
とても綺麗。私たちなんてどうでも良いみたい。
「……凄いね、A」
「どうして私？まぁ、綺麗だけど」
「ふふ、なんとなくかな」
何それ、とチョロ松を見て微笑む。
本当にカラ松と血が繋がっているのだろうか。
…こうやって海を見ていると、一年生の時に初めてヒロインを演った『人魚姫』を思い出す。
「……こうしていると」
「…は？」
まさか、と思いカラ松の言葉に耳を傾けた。
「お前の初演の人魚姫を思い出すな」
「うわー…最悪だわー、人生終わったわー」
「何故だ。まさか、お前も俺と同じことを考えていたのか？」
「うるせぇ口に出すなポンコツ！！」
誰のことだ、と頭を抑えてくるカラ松に私は対抗する。
私の演った舞台の話をするんじゃない！
「…あの時俺は王子役だったが…」
「良かったじゃない」
「どこがだ」
思えば、どうして私たちはこんなに仲が悪いのか。
きっと二人とも初出演の人魚姫で何かがあった。
何があったか、よく覚えていない。
「……もう一度演ってみないか？」
「何を」
「わかっているくせに」
怪しく笑うカラ松をジッと見つめる。
カラ松は今ここで人魚姫を演ろうと言っているのだ。
……別に構わない。が、カラ松が嫌なんじゃ？
「私は構わない」
受けて立とうじゃないか。
『私にはできない…！王子様をこの手で殺すことなんてッ…』
そこらへんで拾った木を海に投げ捨てる。
ラストだ。
人魚姫が泡になってしまうところ。
一番残酷で、一番好きなシーン。
人魚姫は泡となって、王子様への恋心も捨てるの。
それすら知らない王子を置いて。
「……っふぅ、こんなもん？」
「あぁ、初演より上手くなってるじゃないか」
「お前もだよ」
褒めてるのか貶しているのかわからないが、少し微笑んだカラ松の顔が太陽で光って輝いて見えた。
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松々先輩(プロフ) - 進撃のカラ松さん» いえいえ〜！こちらこそありがとうございます！あと1話、番外編がありますので、それまで気長にお待ちいただければ嬉しいです！ (2019年3月1日 7時) (
レス) id: 87a69031e6 (このIDを非表示/違反報告)
進撃のカラ松 - ありがとうございましたぁぁぁぁあ！！良かったです！！ (2019年2月28日 22時) (レス) id: 2a91d83e29 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - るんこさん» いえいえ！！こちらこそ、読んでくださりありがとうございます！番外編もありますので、あと二話、よろしくお願いします (2019年2月9日 22時) (レス) id: 3db3ef1937 (このIDを非表示/違反報告)
るんこ(プロフ) - 完結お疲れ様でした！このなんとも言えない距離感がすごい好きで、しかも最後の方とか発狂しそうでした笑笑とても面白かったです！素敵な作品をありがとうございました！ (2019年2月9日 20時) (レス) id: 01dc95890b (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - よつ葉@原色松推し(´ `*)さん» ありがとうございます！！私もカラ松大好きです！あぁいうノリ好きなので嬉しいです〜！ (2019年1月6日 23時) (レス) id: 3db3ef1937 (このIDを非表示/違反報告)
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