第９頁目【一松】 ページ10
世の中には、釣り合う、釣り合わないの二つが存在している。
まぁ細かく分ければもうちょっとあるんだけど…。
僕と姉さんは、圧倒的に“釣り合わない”側。
こんな根暗と、あの姉さんじゃ釣り合わないのは当然でしょ。
でも姉さんは俺に笑いかけてくれた。いつでも、大丈夫だよ、って慰めてくれた。
そんな姉さんが、兄さん達に酷い目に合っているのに勘づいたのは中学生の時。
それでも高校に入って兄さん達は改心したらしく、元の仲のいい僕たちに戻っている。
と思ったら、なんか違う争いが起きてるっぽくて。
「なぁお前の兄ちゃんたちなにを争ってんのー？やっぱりあれ？弱井先輩！」
「…そうだけど」
「やっぱそうだよなー！俺も一回でいいから話してみてえし…でもお前ら六つ子に勝てるわけねぇから、諦め諦め。でも狙ってる人多いよな」
…なんのこと？
そう思い首を傾げると、あれ？気付いてねえの？と間抜けな顔をして僕を見た山田。
狙ってる人？姉さんを？
「…気付いてない、って言うより、相手にしてないんじゃないの、兄さんたちは」
「お前は？」
「は？…まず、姉さんのことそう言う対象で見てないし」
だって僕らは“釣り合わない”から。
期待するだけ無駄じゃない？
そう言うと、山田はニヤニヤと嫌な笑みをこちらに向ける。
「ま、本気出してみたら？」
「本気って…どう言う意味」
「べっつにー？ク〜ッ、幼馴染でも良いからなりたかったぜ…」
俺はお前を応援してるよ、と肩にポンポン手を置かれる。
だから、別に狙ってないって。
ちょっと良いな、って思うだけ。付き合うなら、できれば姉さんが良いな、って。
「あ、一松〜！」
「…姉さん」
こっちにキラキラした笑顔で手を振る姉さんに、こっちも控えめに返した。
すると、周りの男子から羨ましげな目で見られる。
ちょっと良い気になった。これが、幼馴染だって。
でもどこかで、幼馴染じゃ嫌だ、って思う自分がいる。
我が儘なのかな、僕。
『幼馴染でも良いからなりたかった』と言う山田の言葉を思い出す。
そんなもんなのかな。
でも人間、何かがあるとまた上のものを欲しがってしまうものだ。
だから、僕も。
「…でもみんな、幼馴染じゃ嫌だって思ってる筈だよ」
「そうだなー、お前ら六つ子は全男に謝れ」
トト子ちゃんと弱井先輩と幼馴染ってだけで羨ましがる男は多いぞ、と言う。
まぁそうだよね、街でも有名な美人姉妹だ。
「そんなことより、山田は放課後のテスト大丈夫なの」
「あっ」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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松々先輩(プロフ) - なのもちさん» ありがとうございます！私の夢主の中ではあまり見ないネガティブ思考の子なので難しいのですが頑張ります！ (2020年8月22日 11時) (
レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
なのもち(プロフ) - 続きが早くみたいなぁーなんて。いまさっきからみはじめました。ドハマリしてます！ (2020年8月13日 22時) (レス) id: b3104d6996 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - Rain☆さん» ありがとうございます！！更新頑張りますね！ (2020年5月14日 14時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
Rain☆ - 好きっ！！こういうの！！ (2020年5月13日 23時) (レス) id: 3af4d419c0 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 優凛~yurin~�擦気�» ありがとうございます！！更新頑張ります！ (2019年10月17日 20時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
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