「取りあわないと」出られない部屋【童磨、冨岡義勇】 ページ3
※リクエストありがとうございます!
一触即発…の空気は過ぎ去り、今や3人は並んでどうするべきかを話し合っていた。
「取り合う…とは、具体的に何をすることを言うんだ?」
「そうだなぁ。Aちゃんがされたいことをしてあげた方が良いよね」
「されたいこと…?あんたが目の前から消えてくれることね」
「ははは、それはできないなぁ」
憎まれ口を叩きながら溜息を吐いたA。
しなければいけないことを指定されて何刻経ったのか、全く進展はない。
(最悪だわ、義勇とならまだしもこいつがいるなんて…)
上弦と呼ばれる鬼の集団の中でも最も嫌悪感を抱く相手。それがこの童磨という男である。
気に食わないのはその言動。ふらふらと定まらない、その甘い声も思考力を低下させるようで好きではない。
しかし、お題を成し遂げるまで出られないのだ。
腕を組んで唸るAに、童磨はクスリと笑みを漏らした。
「君は随分思い悩んでいるようだけど、今回は君が何かするというより…」
「え…」
「こうして、俺たちにされる側なんじゃない?」
スルリと川を流れる水の如く当然のようにAの腰を抱き寄せ、ニンマリとその整った顔に笑みを貼り付ける童磨は、Aの耳元で甘く囁くように名前を呼んだ。
ゾワリと逆立つような感覚に小さく引き攣ったような声を漏らしたAだったが、グッと奥歯を噛み締めて童磨の腕から逃れようともがく。
しかし、鬼という同じ立ち位置に立った時、強いのは人をより食った方であり、Aの体に人の血肉で構成されているものは何一つない。
力の差は歴然である。
「くっ……離せ!鬼風情が私に触れないで…!」
「鬼風情って…君もその鬼だろう?君も、人間の味を知ればいいのに…」
そうだ、今度俺の信者たちの中から好きな子を選ばせてあげる。
そう言って幸せそうな笑みを浮かべる童磨は、まさに“教祖”の顔をする。
(なんて力なの…!)
力一杯胸を押して抵抗しているはずなのに、相手は涼しい顔に笑顔まで貼り付けている。
すると、突然腰に腕が回り、童磨から体が離れた。
「Aに触れるな」
「義勇!」
殺気立って刀を構えるのは、先ほどまで黙ってAと童磨の抗争を見ていた冨岡だ。
一瞬の隙を突いて童磨からAを引き剥がし、近づかないよう刀の長さ分間合いを取っている。
またもや一触即発の雰囲気が流れ出し、冷や汗が伝う。
すると、ガチャリと扉の開く音が聞こえ、次の瞬間閉じ込められる前にいた場所へ戻っていた。
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松々先輩(プロフ) - ぽれ氏さん» ありがとうございます!リクエスト了解です!リクエスト消化中ですので、少しお時間いただきます。 (3月6日 1時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
ぽれ氏 - 全部読みました!めちゃめちゃ良くて惚れました((殴←黙れ☆よかったら悲鳴嶼さんのDキス&一線超えないと出れない部屋見たいです!!よろしくお願いします(*´∀`)ノ (3月5日 1時) (レス) id: c56a87995a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 松々先輩さん» ぜひ!またリクエストしますので、その時はよろしくお願いします✡ヨロ*.꒰ঌ˶'ᵕ'˶໒꒱.*シク✡ (2月29日 7時) (レス) id: 50582a260f (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - ルナさん» こちらこそ、リクエストありがとうございます!ご満足いただけたようで嬉しいです。ぜひまた機会がございましたらよろしくお願いいたします。 (2月28日 15時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - とっても良かったです«٩(*´ ꒳ `*)۶»リクエスト書いてくれてありがとうございます(*´˘`*)♡ (2月27日 7時) (レス) id: 50582a260f (このIDを非表示/違反報告)
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