「口説かないと」出られない部屋【魘夢】☆ ページ18
※リクエストありがとうございます!
※諸事情で魘夢とAが同級生です
「電車の次に君を愛してるよ」
「あんたそれで口説いたつもりなの?冗談よね?」
ドン引きである。
Aは、またも街一番のど変態である魘夢とよくわからない部屋に閉じ込められてしまった。
今日はお目当ての電車が来ないと言って悠長にアルバム整理をしている魘夢に、今回ばかりは早くしてほしいと懇願したA。
同級生の宇髄とのデート(笑)に遅刻してしまっては、高いアイスを奢らされかねないのだ。
さて、この部屋は口説かなければいけないというが、具体的に口説くってなんだろう。
人を口説くのは宇髄の専売特許で、Aはどちらかといえば口説かれるのが得意な方だ。
そう思い、魘夢に口説かせてみたものの。
(女の子が電車の次とか言われて嬉しいわけないじゃない)
魘夢にとっては最高の口説き文句なのだろうが、どうしても納得がいかない。
せめて電車よりも好きくらい言ってほしいものだ。
おかしいな、と首を傾げながら不思議そうな顔をする魘夢を見て、Aは盛大に溜息を吐いた。
「いい?今から私がお手本を見せてあげるわ」
「手本?」
「ええ。私が今まで言われてきた数多の口説き文句よ。それを聞いて、少しは見習ってちょうだい」
冗談で言われたこともあるし、本気の告白もあった。主に冗談で言ってくるのは宇髄だが。
Aは咳払いをして、今まで言われてきた口説き文句たちの引き出しを開ける。
君以外考えられないだとか、君以外見えないだとか、聞けばむず痒くなるようなセリフの多い中、ポッと夜闇に灯された一つの街灯のように浮かび上がってきたものがあった。
『お前が好きだ』
シンプルで、かつ心にダイレクトに伝わってきたその言葉は、普段着飾った言葉を聞き慣れていたAにとって、とても新鮮で、嬉しい言葉だった。
「魘夢。好きよ」
Aがそう言うと、魘夢はふむ、と顎に手を当てて、にこりと上品に笑う。
その美しい翡翠色の瞳に見つめられ、Aの胸はどきりと高鳴った。
「君が好きだよ、A」
「っ、名前…!」
(てっきり知らないかと)
普段はそんなに話す方でもないし、隣の席になってもずっと電車のパノラマなんかが載っている雑誌を見ていたから、人に興味がないのかと思っていた。
優しい、溶けるような声で名前を呼ばれて、相手が魘夢であるとわかっていても浮ついてしまう。
(冗談じゃないわ)
Aは、真っ赤な顔を隠すように、鞄を引っ掴んで開いたドアから出ていった。
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松々先輩(プロフ) - ぽれ氏さん» ありがとうございます!リクエスト了解です!リクエスト消化中ですので、少しお時間いただきます。 (3月6日 1時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
ぽれ氏 - 全部読みました!めちゃめちゃ良くて惚れました((殴←黙れ☆よかったら悲鳴嶼さんのDキス&一線超えないと出れない部屋見たいです!!よろしくお願いします(*´∀`)ノ (3月5日 1時) (レス) id: c56a87995a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 松々先輩さん» ぜひ!またリクエストしますので、その時はよろしくお願いします✡ヨロ*.꒰ঌ˶'ᵕ'˶໒꒱.*シク✡ (2月29日 7時) (レス) id: 50582a260f (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - ルナさん» こちらこそ、リクエストありがとうございます!ご満足いただけたようで嬉しいです。ぜひまた機会がございましたらよろしくお願いいたします。 (2月28日 15時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - とっても良かったです«٩(*´ ꒳ `*)۶»リクエスト書いてくれてありがとうございます(*´˘`*)♡ (2月27日 7時) (レス) id: 50582a260f (このIDを非表示/違反報告)
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