鬼の呼吸の夢主ちゃんで、〇〇しないと出られない部屋 弐【鬼滅の刃】

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「お、おめでと〜！！」
「めでてェなァ」
「なんでもない日、おめでとう…？」
「おめでとうございます…？」


とりあえずテーブルに並べてあった菓子類を全て机に広げ、ジュースを入れて乾杯をしてみる。
チラリとドアを見るが、開いた様子はない。


「ぐ、具体的にパーティーってどれくらいの時間かけて行うものなのかしら…」
「飲み会は誰かが潰れるまでだな。いつも冨岡が潰れて終わる」
「聞きたくなかったわ。そんな教師の飲み会事情」
「お菓子パーティーとかは、お菓子がなくなるまでだよね」
「…じゃあ、この机のお菓子がなくなるまで終わらないってこと…？」


ぽそりと呟いた無一郎の言葉に、みんなもう既に吐きそうな勢いだ。
山のように積まれたお菓子を、全て…？

しかも、眠い。この部屋に入ってから時間は経っていないが、体は疲れてきているのだ。

うとうとしながら玄弥の背中にもたれてポッキーを食べるA。
玄弥は緊張で固まってしまい、ポテチに伸びる手が止まっていた。そして、もう食べることを諦めてAの柔らかな太ももで微睡を楽しんでいる無一郎。


「おい玄弥、何手ェ止めてんだ。もっと食え」
「そ、そんなこと言ったって…！」
「アァ？女くらいで緊張してんじゃねェ」
「だ、だってぇ…」


泣きそうになっている玄弥の反応を楽しんでいるAは、無一郎の頭を撫でながらポッキーを一箱完食した。
それから何時間経ったのか、最後に玄弥がポテチの青のり味を食べ切り、机の上からは何も無くなったのだった。


「やっと終わったわ〜！！むいくん起きて」
「ん…終わった…？」
「や、やっと家に帰れる…」
「小テストの採点明日に回すか…」


それぞれ疲労困憊しながらドアに向かってドアノブを捻るが、ガチッといったっきり開かない。


「ん？」


ドアノブを捻ったAが、開かないんだけど、と振り返ると、自分を取り囲む三人の隙間から見えるテーブルの上に、先ほどのように積まれているお菓子たちが見える。

(ん？幻覚？)

まさか、あれだけ頑張って食べたお菓子が、まだテーブルの上にあるなんてありえない。
きっと、お菓子を食べすぎて見た幻覚だろう。

そう思って、じっと目を凝らすが、どう見てもテーブルにはいっぱいのお菓子が積まれている。


「あー………開かない理由、わかっちゃった…」
「どうしたんですか？」
「A？」
「……後ろ…」


顔を青ざめさせるAに従って後ろを振り返った三人は、同じように顔を青くしたのだった。
まだまだ夜は明けないようだ。

「一線を越えないと」出られない部屋【不死川玄弥】※背後注意→←「パーティーをしないと」出られない部屋【不死川実弥、玄弥、時透無一郎】☆

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