恋人未満の境界線 第5話 ページ11
Aside
「それでは帰りのホームルームはこれで終わりにする。皆気をつけて帰るように」
……あれから純太は変わった。
私から距離をとるようになったし必要以上の会話もしてこない。
「A」
元々純太から離れようとしていたのは私だったのにどうしてこんなに苦しいの?
「……なぁ、おいA!」
『……え?』
「もう皆帰ったぞ」
『あ、本当だ……』
「……なぁ、A」
『なに?』
「ここ1週間くらい純太と一緒にいないが何かあったのか?」
『……なにもないよ』
「嘘吐いてるだろ。だったら何故お互いあからさまに距離を置いているんだ?純太の隣には休み時間の度に後輩がいるし今までは純太、A以外の女子は寄せつけなかったのに。さっきなんて後輩が迎えに来て2人で並んで帰ってったぞ」
『……私なんかと一緒にいたら彼女が出来ないよって』
「え?」
『純太に言った』
「……本当か?」
『そしたら、告白された』
「?!」
『一緒にいるうちにゆっくり自分の事を意識してくれるようになったらよかったって』
「そ、それで?」
『しつこくしてごめんって言われて……今、この現状』
「……2人して不器用すぎるだろ」
『え?』
「そもそもなんで"自分といると彼女なんてできない"と言った?」
『……だって、私が純太の隣にいたら純太にとっていい出会いがあったとしても邪魔になっちゃうかもしれないって思ったの……。だから友達としての距離を取らなきゃって……』
「……まんまと他人の思惑通りになったのか?」
『えっ……そんな』
「どうせあの後輩あたりに言われてそう思い込んだんだろ」
うっ……なんで分かるの……?
「Aと純太の事なのにそこに他人の意見が必要だったのか?」
『だ、だってこうしないと純太のためにも』
「純太のためって……!純太はAの事が好きだと言ってくれたんだろ?精一杯気持ちを伝えた純太をAはどう思った?」
『……』
あの時、純太はすごく傷ついた顔をしてた。
好きだって言われて嫌じゃなかった。
でも……
『分からないの……』
「分からない?」
『友達だって、そう思ってたの。なのに、好きって言われて少なからず嬉しいって思ってしまった自分の気持ちが分からないの……』
「A……」
恋人未満の境界線 第5-2話→←恋人未満の境界線 第4-2話
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かにかま - ﾋﾟｬｯ///こりゃあ寿命が縮むねぇ..._|墓|_ (2月25日 14時) (
レス) @page14 id: c46aaa700f (このIDを非表示/違反報告)
めむ - あっやだ尊……すごい好きです面白い話をありがとうございました！！！ (7月2日 20時) (レス) @page14 id: a4acba5620 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なめこ | 作成日時：2019年5月11日 21時
