「Disease and misunderstanding」[C] ページ33
だらだらと流れる汗を必死に“左手”で拭いながら、僕は携帯の画面を睨んだ。
『Re:チョロ松さんへ
ついに当日ですね。
指定された噴水前に居ます。白いレースワンピースです。
宜しくお願いします。』
そう書かれたメールの送り主は、もちろんAちゃんだ。
あれから、落ち着きを取り戻したAちゃんは、メールで何度も謝った後、当日の事を聞いてきた。
『覚えちゃってたかぁ…。』
そう思ったけど、これはAちゃんを救うためなんだから仕方ない。
…彼女からメールがくる度、すごく嬉しかった。
だって、会おうなんて出会い厨だと思われそうじゃん??
＿＿＿＿だけど、同時に凄くもどかしかった。
ぎゅ…と弱々しく左手で右腕を握る。
「…………………っ、」
【とうこつ神経麻痺】。
医師から表明された右腕の診断。
簡単に言うと、右腕の神経が麻痺した…まぁ、そのまんま。
普通は指先からしか動かせないらしいのだが、僕の場合は肩の根本からぶつりと切れているので、一応の病名らしい。
一応…ということは、ほぼ100%これより重いのだろうけど。
『もう完全に右腕の感覚がない。』
『つねっても、叩いても、撫でても何も感じない。』
『腕を上げられない。指先を動かせない。』
どうしようもなく、辛くて苦しいこの現状。
僕の右腕はただの肉の塊になってしまった。
「あっつ…。」
…あのあと気を失った僕は、母さんに病院に運ばれた。
ずっと起きてこないのを心配して、部屋を見たら僕はいなくて、【庭に倒れていたらしい】。
大方、バレたらあとあと面倒なので、カラ松が綺麗に掃除をして、僕を庭に運んだのだろう。
「んー……。」
僕だって、自分の中から塀へと送られる兄弟がいるのは嫌だ。
だけどいくらなんでも、これは送ってほしいかなぁ。
…3時間を越える手術のあと、僕は一週間の入院を余儀なくされて。
母さんや父さんにもとても心配された。
『僕をこんな風にしたのは、貴方の息子ですよ。』
そんなこと、口が裂けても言えない。
だから僕は黙って、入院した。
今こうして歩けるのは、何とか院長さんに無理をいったから。
…3時間というリミット付きだけど。
『＿＿＿＿＿＿＿＿上等だ。』
『充分すぎるぐらいだ。』
『だからたくさん、僕が彼女に話してあげよう。』
『【彼】の異常を。【彼】の危険性を。』
『それが、僕に課された使命なんだから。』
「ここか…?」
か細い声で呟いた僕を、明るく太陽が照らした。
「Try looking back」[C]→←「Distorted belief」[O]
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LUCA - 最高すぎますよ！！何度も見返してます！！どうしてくれるんですか！！大好きです← (2018年1月19日 23時) (
レス) id: 09c9350497 (このIDを非表示/違反報告)
なぎさ(プロフ) - ものすごく最高です！神作品です！とても楽しませてもらいました！大好きです！！ (2017年10月20日 18時) (レス) id: 11d9b49515 (このIDを非表示/違反報告)
林檎麻(プロフ) - 夏見さん» ありがとうございます!!チョロ松は、まともで勇敢ですね!!(笑) (2016年8月12日 23時) (レス) id: 6ae5345221 (このIDを非表示/違反報告)
夏見 - チョロ松格好いい！ｗ (2016年8月12日 13時) (レス) id: 57320f2ce7 (このIDを非表示/違反報告)
林檎麻(プロフ) - \(*ω*)/松←さん» いやあぁああぁありがとうございます!!まさか夢主ちゃんの事について触れられるなんて…!!吃驚と感謝です…!!応援ありがとうございます!! (2016年7月27日 22時) (レス) id: 6ae5345221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林檎麻
作成日時：2016年6月8日 23時
