【鬼滅の刃】しあわせにしてあげる。【短編集】

#人生で1番幸せなプレゼントです。【胡蝶しのぶ誕生日特別編】 ページ12

｢Aちゃん、私今日お誕生日なんですよ｣


にこりと笑いながら、そうAちゃんに話しかけるとこちらをしかめっ面で見るAちゃん。


『……ああ、相変わらずあまり良い印象じゃないのかなあ』


｢……そうなんだ。おめでとう｣

｢ありがとうございます!お祝いのプレゼントとかないのですか?冨岡さんからは既に頂いたのですが｣

｢………………、｣


期待を込めた目でAちゃんを見れば、少しだけ頬を膨らませながら怒ったように睨んできて。


……あー……超可愛い……！！可愛いですAちゃん!!



『Aちゃんは私が冨岡さんのことが好きだと思っているらしい』




……何言ってるんですか!私はAちゃん一筋ですよ!あんなゴミ野郎好きな訳ないじゃないですかあ!

でもあまりにもAちゃんと冨岡さんがくっつきそうで……嫉妬で狂いそうになっちゃいまして!

だから冨岡さんにちょっかいをかけまくって、邪魔をしたら……私に嫉妬をしてしまったようで。

嫉妬をするAちゃんは可愛いですが、私にはやっぱり好意を向けてもらいたいですね!



｢じゃあ私がしたいことさせてください!……はい、あーん!｣

｢は?｣



私はポケットから、飴玉をひとつ取り出すとAちゃんに差し出す。

困惑顔のAちゃん。ああ、表情が本当にコロコロ変わる。見ていて飽きない。可愛い。


｢な……なにこれ……?｣

｢大丈夫ですよ!毒なんて入っていません!｣

｢じゃ……じゃなくてさ……えっとこれは……｣

｢私Aちゃんにあーんをしてみたくて!……だめ……ですか……??｣


ちらりと上目遣いでAちゃんを覗き込めば、少し視線を逸らされて……だけれどどこか怒ったような顔で勢いよくぱくり、と飴を口に含む。

指先にAちゃんの柔らかい唇が触れて……トキン、と胸が動いたのと同時に、"Aちゃんがすごい勢いで倒れてきて"。


｢ゲホッ……!!ぁ"…っ……あ"ぁああぁっ"……ぁ"……!!｣

｢大丈夫ですか?Aちゃん。舌が痺れます?……えへ!嘘ついてごめんなさい。実はそれヒトの舌に触れると、焼けたように痛んでそのまま溶けていっちゃうんです!でもこの治療飴があれば大丈夫です!｣


私に必死にしがみついて痛みを取ろうとぱくぱくと口を動かすAちゃんが、ほんとに本当に可愛すぎて……頭がおかしくなっちゃいそうで。

助けを求めるような視線にぞくぞくしながらも、私はその飴を"ぱくり、と自分の口に放り込んだ"。



｢さ、Aちゃん。……"あーんしましょ……♡"｣



いたずらっぽくそう言って、私は楽しそうに笑った。

#頭の中ではずっとずっと考えている。→←#早く終わらせて欲しいなんて願いは聞かないからね。

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