【あんスタ】大人気アイドルの現在。3

【葵兄弟の場合】 ページ27

時刻は午前10時。


土曜日であるため、人通りは少なく…校舎内にいる人数は少ない。

静まり返っている教室ばかりだからこそ…その声はよく響いた。


「さぁAさん……覚悟……して下さい……。」


「大人しくしてくださいね…。」


教室の一角。軽音部の部室である。

その教室の中では、じりじりと葵兄弟がAに迫っていた。

手を伸ばし…とても怪しい顔をして。


「い……いや……あの……ちょっと待って…お…お前らマジで怖いんですけど…!!!」


そんな二人の雰囲気が怖いのか…後ずさりして逃げようとするも…ガタン、と鍵の閉まったドアが背中に当たる。

その瞬間、絶望とこれから起こることについて考え始めたA。


ぶわりと涙腺が切れそうである。本気で泣きそうである。


「お…お前ら…!!マジでそれ言ってんのか…!?っあの……ホントにお願いします…。それだけはやめてください…。」


「やだなぁもう!!何いってるんですかAさん!!別に無理しなくていいんですよ??でもAさん言ったじゃないですか、何でもしてやるって…♪いや別に無理しなくていいんですよ??」


「そうそう!!無理はしなくていいんですよ??これが嫌なら違う事してもらいますから。…………そっちもとっても楽しみですけど!!」


ひく…とAの片頬がひきつる。



そう。これは自分が招いた結果なのだ。

自業自得。最悪だ。


「ささ!!Aさん!!」


「これをどうぞ!!」


急に双子が距離を詰めたかと思えば、両側から顔をぐっと近づけて口を開く。


顔は笑っている。目も笑っている。ただものすごい悪い顔だ。悪戯顔だ。



＿＿＿＿＿＿＿あぁ神様。なんでこんなことになってしまったのでしょう。


しかしどんなに嘆いても、もう後悔先に立たず。手遅れだ。


ぷるぷると震える手で、ゆうたから"とある袋"を貰うと、そっと紙袋を開けた。


「……………………、」


ちらりと見えるレース。ちらりと見えるふわふわの布。

ぶわり…と顔が赤くなり、涙を滲ませていくA。


『本当にこれを…?』と言う目で兄弟を見ると、目をキラキラさせながらこくこく頷いて。


待ちきれない!!といわんばかりに、Aの両手を包んだひなたは、ゆうたと声を揃えて言葉を紡ぐ。



「「さぁAにゃんさん!!猫耳メイドコスプレお願いします!!」」


「せめてその呼び名だけでもやめろおおぉおおぉおぉおぉお!!!!」



利坂A、恥ずかしさで死にそうな思いをするまであと5分である。

2→←5

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

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