第６話 ページ8
やっと人混みを掻き分けられた。
男「君！止めなさい！」
女「警察呼ぶわよ…！」
ケータイで警察を呼ぼうとする女の手を掴む。
女「ちょっと！やめなさいよ！早くしないと…！」
貴「わかってるけど…ダメだよ。これはあたしが止めるから…。警察はまだ早いんだ。」
まだ。
これなら止められる。
女「でもっ…その人…」
貴「大丈夫だから。あまり近寄らないで！」
…野次馬の事は大丈夫だし…
ハァ……よし。
バキッ
ドカッ
？「ッ…くそっ！」
？「松潤！やめろって！」
喧嘩しているとこには倒れている男子高校生が三人。
松潤というやつに殴られているのを合わせると四人。
そいつはまだ殴るのをやめない。
横で一生懸命止めようとしている男にも所々擦り傷があった。
多分この喧嘩でやられたのと、暴走しているそいつを抑えようとしたが…逆に殴られた傷。
確かに今殴られているやつはこのままだと危ない。
意識も失っていて血だらけになっている。
顔だって原形を留めていなかった。
あたしは後ろから近付いた。
また殴ろうとした手を後ろから掴む。
ぐぐぐっと相手は力を入れるがこっちも力は弱めない。
そいつが後ろを向いた。
その瞳は何故か恐怖と哀しみ…苦しみで溢れている。
貴「もう、いいでしょ？そいつ死ぬよ。」
松「…るせぇ！！」
？「松潤！」
殴られそうなところを片方の手で掴む。
貴「まだ分からない？」
そうか。
だったら
バキッ
？「！？」
松「っ…くそっ…！」
あたしはそいつを殴った。
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作者名：羽琉 | 作成日時：2011年5月5日 23時
