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episode.1 ページ1

散り始めている桜。見慣れない中庭。視界にはたくさんの保護者。


校門を抜けたその時から私は「双時学園高校」の1年生になった。



クラス分けの表をぼんやりと眺めてみるが、この高校に中学校の友達はいないので正直意味は無い…と思っていたら。


「三枝…明那?」



そこには、中3の時に同じクラスだった男子の名前があった。


三枝くん、陽キャオーラが強くて話せたことあんまりなかったんだよな。
これをきっかけに話せたらいいけど。


そんなことを考えていたら、いつの間にか周りに人はいなくなっていた。
驚いて腕時計を見ると、時刻は8時27分。そして教室点呼は8時30分。


…まずい。


昇降口を全速力で通り抜け、階段を駆け上がり、広間のような場所に出る。


教室はどこだ…?


このままだと入学初日から遅刻した人だとクラスのみんなに覚えられる。陰キャ側で生きてきた私にはたまったもんじゃない。



その時、後ろから階段を駆け上がってくる一人の女子高生。


「やばい…入学式の準備あるのに…」


そう呟いたかと思えば、階段の最後の一段で躓いた彼女は四つん這いになって床にへたりこんだ。


「大丈夫ですか!?」


「うぅ……って君、新入生じゃん!あと2分半で集合じゃないの!?」


「いや、それが教室がわかんなくて行けないんですよ…」


「1年の教室はあそこに固まってるから、私を置いて先に行け…!」


「はいっっ!」


依然として四つん這いの彼女を助けるか迷ったが、さすがに遅刻の恐怖が勝ってしまった私は女子高
生の指さした方向へと走り出した。

episode.2→



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作者名:miya | 作成日時:2023年10月20日 0時

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