家のドア開けたらAUの世界(ry…よーん

配信視聴 ページ29

視点回帰
視点:紗奈

バーを出てエレベーターホールに向かおうとしたが肩を軽く叩かれた。
後ろを向くとWineさんだった。
「……あの、なんでしょうか」
「夕飯のとき、少し、不可解なことが聞こえてな」
一瞬何を言っていたかを思い出す。
何を言っていたのだろうか、そもそも何を考えていたのかが中々思い出せない。
「死んでもいい、とは」
「……あー」と声を出し、そう言えばそんなことを言っていたなと思い出した。

「なんていうか……色々と考えてて」
「……なるほど。考えるのは良いが、考えすぎると気に病むからね」
「お気遣い、ありがとうございます……でも、大丈夫です。私の中で、解決したので」
「……そうかい。帰るところを引き止めてしまって申し訳ない」
「いえ、大丈夫です。……では」
と早歩きでエレベーターホールに向かい、エレベーターに乗り込んだ。

「はぁ……」
部屋に入り、ソファに深く座り込む。
ふと、スマホを見て中身、絶対に見られてると考える。
チャットだけかもしれないけど、SNSだったら最悪だった。
自撮りアカウントにログインしていたから開かれたら、私の自撮り写真を見られていた。
お目汚しというレベルではない。目が潰れるくらいの写真だ。
加工しているとはいえ、酷いものに見えるだろう。
自撮りアカウントから、推し活アカウントに切り替える。
あ、推しが配信してる。見に行こう。

推しはたまたま見つけた。
ネットの海を漂っている時におすすめ欄に出てきたのだ。
配信を見るとVTuberで、雰囲気や本人の声に惹かれたのだ。
普段はアーカイブと切り抜きを見ているが、たまに配信を視聴している。
投げ銭はまだしてない。やりたいとは思うが、勇気が出ない。
ソシャゲの課金は気軽にできるのに、と思うが投げ銭をすると推しにコメントを読まれる為どんなコメントを書けばいいのか分からず、勇気が出ないのだ。

「あ、今回単発ホラゲーか。」
そう言えば、最近ホラーゲームをやっていないな…と思い出す。
「今度やろう」と呟いて配信を見続けたのだった。

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