悪戯心 ページ19
そういえば昨日、眼鏡を返し忘れていたな…と思い出しながらマスターキーを取った。
エレベーターに乗り、眼鏡を取り出し見てみる。
黒縁で太めのフレーム。
前髪で目元を隠していたから、ちゃんと顔を見ていない気がする。
見たのは横顔くらいで、食べてる時は集中しているのか下を向いていて見れてない。
エレベーターから降り、アスナの部屋へと向かった。
部屋の近くまで来るとアスナがぼーっとして待っていた。
「アスナ」と声を掛けようとしたが、やめた。
「(なんだろう。どこか、違う気がする。)」
ただ、無言で少し暇そうにして待っているように見えるのに。
あぁ。そうだ。あの時の、水鉄砲の勝負をした時に少し似てる。
「(まぁ、後で考えれば良いか)」
「アスナ？」
「っ…あ、はい。」
「はい。これ、鍵」
とカードキーを差し出した。
「あ、アリガトゴザイマス……」
顔が見えるのが嫌なのか、俯きながら受け取ろうとした。
ちょっとの悪戯心が働き、鍵をひょいと上に上げた。
「え？」
アスナが顔を上げ、きょとんした。
なるほど、こういう顔なのか。
ハッとして俯き、何も無かったようにカードキーを取ろうとした。
しかし、私はニヤニヤしながら素早く上に上げる。
アスナは無言で手を伸ばし、更に顔が赤くなる。
そしてカードキーを取ろうとして私の顔が目に入ったのか、また俯く。
なかなかに面白い。
最後に思いっきり上に上げてやった。
するとついに怒りのスイッチが入ったのか、ジャンプをして取ろうとしてきた。
身長差もあるが、腕を上げている為届かない。
「ちょ、ちょっと……！」
「取れるもんなら取ってみてよ」
更に上にあげ、アスナがジャンプを繰り返す。
「っ……」
少し目が潤んできている。
あ、やばい。やりすぎた？ そう思い手を下ろそうとしたが……遅かった。
その一瞬でアスナが思い切り手を伸ばし、カードキーを取った。
ピッという電子音がし、ガチャリと鍵の開く音がした。
それに我に返ったのか、顔が真っ赤になって俯いてしまった。
それを見て笑う私を見て、アスナは呆れたのかため息をした。
「ごめん」
「いえ……。鍵、ありがとう、ございます…。」
「どういたしまして。」
「また。夜に」と言って、部屋に入るのを見た後、エレベーターホールへと向かった。
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藍霜月(プロフ) - 紅奈虹夢＠虹茶さん» コメントありがとうございます！舞いですか…！‹‹\(´ω` )/››‹‹\(´ω` )/›› 神作品と言って頂いて嬉しいです…！ (5月3日 22時) (
レス) id: 64f8ddb167 (このIDを非表示/違反報告)
紅奈虹夢＠虹茶(プロフ) - 更新されてた..... 嬉しすぎて 舞い踊りたい気分です!! 神作品をありがとうございます (5月3日 21時) (レス) id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
藍霜月(プロフ) - 零科さん» コメントありがとうございます！更新頻度が落ちてしまって申し訳ないです…。最高といって頂いて嬉しいです…！ (5月3日 21時) (レス) id: 64f8ddb167 (このIDを非表示/違反報告)
零科 - 久々の投稿......！今回も最高でした😊 (5月3日 21時) (レス) @page33 id: b0328d2f31 (このIDを非表示/違反報告)
兎妬 ぅさ子(プロフ) - 😆😆😆 (4月7日 16時) (レス) @page31 id: 75fc25324b (このIDを非表示/違反報告)
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