家のドア開けたらAUの世界(ry…よーん

あやふやな ページ16

行きたかった所に行き終え、何もなくただ、モール内を彷徨う様に歩いていた。
すると、どこからピアノの音色が聞こえてきた。
音色を辿るとストリートピアノが自動で演奏していた。
ピアノの音とオルゴール特有の音は私にとって凄く落ち着ける音。
曲が終わるまで立って聞いていた。
終わるまで何をするのかを考えていた。
曲が終わり、モールの出口に行き、ホテルへと向かった。

部屋に戻り、ソファに深く座った。
ホテルにいることを連絡し、スマホをおいた。
「……勉強、しなきゃ」
何日勉強をしていないだろう。
タブレットを取り出して、映像教材を見始めた。
映像教材を見て勉強する。
「はぁ……」
勉強自体は好きでも嫌いでもないし、楽しくもない。
でも、やらないといけないこと。

……やらないと、いけないこと……。

「……」
いいや、もう。
親以外は誰も心配しないし。
進路のことも、将来も、夢も、希望も……何もない。
私に何があるのかな……ゲームが得意？いや、それは誰もが言える。
演技？いや、それも違う。

──私は一体、何者なんだろう。

この世界だけじゃなくて……リアルの方は何があるのだろうか。
自分がなんなのか分からない……あやふやな存在。
認められたくて、頑張っても無駄になって、何もかもが分からなくなって……。
「どこか、ないのかな……私の」
頑張りが認められるなら、どこでも良い。
それが架空の世界でも、リアルでも。
そんなの私にとっては関係ない。
ただ、安心できるところが欲しい。それだけなのだ。

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