追憶 ページ2
俺の朝は煙草とランニングで始まる。俗にいうルーティンというやつだ。
「っは…っは…っは」
冬独特の冷ややかな空気が肺を刺激する。
仄かに痛む体に鞭を打って、地面を蹴っていく。
ただひたすらと「走る」っていうこの行為は、感情で溺れそうになった時、頭をすっきりさせてくれる。
満足する距離まで走って、近くの公園で乱れる息を整えた。
水を喉に流し込んでいると、ちょうど太陽が昇ってきた。
…どんだけ早くに家出てんだよ。
思わずそう呟けば、走っている間は消えていたのに
ドロドロして、どうしようもない、感情がまた湧いてきた。
昨夜のことが脳裏に浮かんだ。
俺の肌にあいつが触れて、
あいつが触れたところから熱が広がって
余裕がなそうなあいつの顔、
でも体だけの、好都合な関係。
「はぁ。」とひとり溜息をついた。
なんで思い出してんだよ…。なんの為のランニングやねん。
目を閉じれば、俺があいつに恋に落ちた時、その時がいつだって浮かんでくる。
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作者名:津城瑠生 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ruimdk1/
作成日時:2022年11月20日 12時