9話．体育会�� ページ20
急に場面は変わるが、稲荷崎高校の体育会は、体育会そのものにクラスマッチのようなものが入っていて、でも普通のクラスマッチとは違う、運動部強豪校ならではの球技大会があるらしい。
なんと、3学年全員、シャッフルしてチームを作るそうだ。競うスポーツの種類は、バレーボール、バスケットボール、ドッヂボールだ。この3種目以外は他の学校とほぼやることは変わらない。
もちろん私はこの中で1番マシそうなバレーを選んだ。一応やってたし。
チームは赤、青、紫、黄、緑の5つ。私は赤になって、笑恋ちゃんは紫になった。チームが離れてしまい落ち込んだが、問題はお兄ちゃんだ。お兄ちゃんだけは同じチームであって欲しい…！
そんな切なる願いを込めて私は3年生のフロアに走った。猛ダッシュ中に運悪くお兄ちゃんに出くわしてしまい、叱られたのは言うまでもない。
｢お兄ちゃん、チームなんやった?!私は赤やけど…｣
｢おー、同じやな。俺も赤や。｣
｢ホンマに?!やったぁ〜！！｣
思わず私はお兄ちゃんに抱きつく。
｢あ、ごめん///｣
ハッと我に返ってすぐさま離れる。周りからえ、北くんって彼女おったの？うわ、私狙っとったのにぃ。というような残念がる声が聞こえる。やっぱお兄ちゃんってモテるんや。
｢おん、ええよ。俺も伊桜と一緒のチームで嬉しいわ。頑張ろうな。｣
｢おん！｣
……思ったけど、こんなお兄ちゃんにベタベタなの私だけやな。なんか、私だけお兄ちゃんのこと大好きみたいでちょっと寂しい。
｢…伊桜？どうした？気分でも悪いんか？｣
ぼーっとして一点を見つめていた私にお兄ちゃんが心配そうな顔をする。
｢え？いや！何でもない！じゃあまたな！｣
とっさに笑顔を作って小さく手を振る。
部活に行くと既にみんなはウォーミングアップを始めていた。遅かったかな？そう思い、ストレッチから走り込みに移動するために立ち上がった宮治先輩に聞いてみた。
｢あの、私達遅かったですかね？｣
｢いや、今日はたまたまみんなが早く揃っただけやから、気にせんでええよ。｣
そう言って優しく微笑んだ。一体この笑みでどれだけの女子を落としてきたのだろう。
｢そ、そうですか。良かったです！あ、今から走り込みですよね？頑張って下さい！｣
私も出来るだけ満面の笑みで答える。
｢おっ、おん！ありがとう！｣
｢はい！あ、治先輩！体育会のチーム何色でしたか？私赤なんですけど。｣
｢ん？俺？俺は……｣
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紗々(プロフ) - のりりんさん» お話内でも書きましたが、ありがとうございます！面白いなんて言ってくれて…(感激) (2021年3月28日 22時) (
レス) id: 41a73f412a (このIDを非表示/違反報告)
のりりん - とても面白かったです！更新待ってます！ (2021年3月28日 6時) (レス) id: a9987baaee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗々 | 作成日時：2021年3月27日 11時
