8話．マネージャー ページ17
5月中旬になると段々とみんながソワソワし始めた。そう思ったら、もうすぐ体育祭らしい。あかん、運動嫌いすぎて体育祭の存在忘れとったわ。
それはそうと、マネージャーどうしよう。あんなに拒否ったのに、今更、やっぱりやるわてへぺろ！なんて言ったらウザイかな？
｢あのさ伊桜、｣
｢うん？｣
頬杖を着いて言う笑恋ちゃん。私はその言葉の続きを待つ。
｢うち、やっぱ男バレのマネージャーやろうと思っ、｣
｢うちもやる！！｣
笑恋ちゃんが言い終わるより先に私は机をバンッと叩いて立ち上がった。
｢えっ、どうしたん?!急に！｣
｢あー、お兄ちゃんと話し合って？｣
｢おん、まぁそういうことやろうけどw…よし！そうと決まれば早速入部届け貰いいくで！｣
｢うん！…うん?!今から?!｣
｢せや！先生誰か分からんからまずはあんたの兄ちゃんのとこ行こうや！｣
｢え?!お兄ちゃんのとこ！？無理無理、行ったことないし、3年のフロアとか怖いわ！｣
｢そんなん言っとったら何も始まらんやろ！ほら、行くで！｣
そして私は半ば強引に3年のフロアへと連れて行かれた。
廊下でおしゃべりに花を咲かせている人、弁当を持って教室に戻っている人、様々だったが、お兄ちゃんのクラス3年7組に行くと、その姿はすぐに分かった。
｢あぁ…やっぱ無理やって！3年生の視線が怖いねん！｣
｢何言うとるん。あんたの兄ちゃんやろ？さっさと呼び！｣
なんかさっきからあんたあんたって、私の扱い雑になってきてない？笑恋ちゃんよ。大体何で笑恋ちゃんが言い出したのに私が呼ぶのさ！
もうっ、こうなったらヤケクソだぁ！
｢あ、あの……き、北信介、いますか…？｣
私は震える声で教室に入ろうとする男子生徒に声をかけた。
｢自分、1年？｣
｢はっ、はい！北信介の妹で…｣
｢あぁ〜！最近妹の話良くするなぁ思ったら自分の事やったんかぁ！ちょい待っとき、今呼んでくるわ。｣
そしてその人は｢おい、北〜｣と言いながら教室に入っていった。
すぐにお兄ちゃんがこちらに向かってくる。
｢伊桜？と、眉本さんも。どうしたん？｣
｢あ、えぇっと…その……入部届けって誰に貰って誰に出せばええんかなぁ、と…｣
｢！…入る気になったん？｣
お兄ちゃんの顔がパァと明るくなる。
｢まぁ、う、うん。先生怖いから、お兄ちゃんのとこ来た…。｣
私は目を泳がせてそう言う。
↓続く
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紗々(プロフ) - のりりんさん» お話内でも書きましたが、ありがとうございます！面白いなんて言ってくれて…(感激) (2021年3月28日 22時) (
レス) id: 41a73f412a (このIDを非表示/違反報告)
のりりん - とても面白かったです！更新待ってます！ (2021年3月28日 6時) (レス) id: a9987baaee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗々 | 作成日時：2021年3月27日 11時
