7話．�� ページ16
｢バレーだけやない。勉強もちゃんとせぇや。やからこの前の新入生テストやって……｣
言いたくないのに勝手に口が動く。やめてよ私。どうしたの。
｢うるさい！お兄ちゃんは勉強出来てええよな。でも、お兄ちゃんもお兄ちゃんやん！細かいし。やから今でもユニフォームすら……｣
あ、言っちゃった……。
やだ。こんな言葉、お兄ちゃんに浴びせたくない。
お兄ちゃんが頑張ってること、自分が一番分かってるでしょ…。
……あれ？視界が歪む。これは涙じゃない。
じゃあ、何で…？
｢……確かにそうやな。その通りや。…はぁ、この話はもうやめにしよう。じゃあ俺、風呂入ってくるから……｣
バタンッ
｢え…い、伊桜?!どうしたんや！伊桜！！大丈夫か?!しっかりせぇや！伊桜！！｣
呼吸が苦しい。何で??怖い。
あ、またや。これ、中学の時はしょっちゅうなりよった。
確かストレスやって……
目を開けるとそこは自分の部屋だった。
｢伊桜っ！大丈夫か?!｣
私が目を開けたと同時に駆け寄ってくるお兄ちゃん。あぁ、やっぱお兄ちゃんなんやなぁ、と思った。
｢お兄ちゃん…｣
体を起こそうとすると、お兄ちゃんがそれを止める。
｢無理すんなや。過呼吸で倒れたんや。幸い俺が応急処置の方法知っとったからよかったけど……もうキツくないか??｣
そう言ってお兄ちゃんは私の頭を撫でた、お兄ちゃんの体温が心に沁みる。
｢お兄ちゃ…私、本当はあんなこと思ってへん。ごめんなさい。ごめんなさいっ…！｣
私は涙をボロボロ、鼻をズーズー言わせながら謝った。
｢俺も言いすぎたわ。ごめんな。伊桜には伊桜の考えがあるんよな。｣
｢ううん。お兄ちゃんの言う通り、怖かっただけや。また失敗するのが。ほんまごめん…っ｣
｢そうか。でも兄ちゃん、怒っとるわけやなかったんよ。言い方がマズかったなぁ。ごめんな？｣
その後は、泣きすぎて目が腫れた私にお兄ちゃんが氷を持ってきてくれたり、寝付くまで背中を撫でてくれたりとなんとも私が惨めな夜だった。
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紗々(プロフ) - のりりんさん» お話内でも書きましたが、ありがとうございます！面白いなんて言ってくれて…(感激) (2021年3月28日 22時) (
レス) id: 41a73f412a (このIDを非表示/違反報告)
のりりん - とても面白かったです！更新待ってます！ (2021年3月28日 6時) (レス) id: a9987baaee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗々 | 作成日時：2021年3月27日 11時
