6話．謝罪�� ページ14
私って不幸体質なんか、嫌な予感は必ずと言っていいほど的中する。
｢北 伊桜さん、おるか？ちょっと話しあんねんけど。｣
ああ、ほら、やっぱりね。
教室まで来たのは宮侑。笑恋ちゃん曰く、双子目当てで入学した女子も少なくはないらしいからな。こんな中呼び出しとか絶対勘違いされるやん。ほんまやめて欲しい…。
そんな私の願いは届かず案の定周りからは｢なんやアレ抜け駆け？｣とか、｢ちょっと可愛ええからって｣とかいう私の悪口が聞こえる。思ってたより状況悪いな……。
｢………｣
私は無言で廊下に出る。宮侑は｢ちょっと、｣と言って私は人通りの少ない空き教室の前まで連れて行かれた。
｢……あの、えっと、い、伊桜、さん…｣
｢はい。｣
｢あ、えと………
すっ、すんませんでしたぁ！！｣
頭を下げられ凄い声量で謝られた。お兄ちゃん、朝のあの言葉はこういうことだったのね…。
｢だ、大丈夫ですから、頭上げてください。
…宮先輩。｣
｢ゆ、許してくれるんかっ?!｣
勢いよく頭を上げた宮侑がそう言う。
｢少し怖かったですけど大丈夫です。やけど…私に謝ってくれたんは、私が北信介の妹やからですよね？他の女子やったら、謝らんかったんちゃいますか？｣
｢え？いや……その……｣
｢とにかく私は大丈夫ですから。女の子に『豚』とか言わんとってあげてください。結構傷つきますよ??｣
｢あ……｣
口が開いたまんまや…(苦笑)
｢じゃあ、話が終わったなら帰りますね。さような……｣
｢あっ！まっ、待ってや！！その…あんなこと言うたやつと、嫌かもしれんけど…その……｣
連絡先交換してくれませんか…？と宮侑はボソボソと言ってきた。
｢………｣
｢すまん。嫌よな。忘れてく……｣
｢ええですよ。｣
｢えっ?!い、いいんか！？｣
｢はい。もう怒ってないので。｣
犬のようにしょぼくれる宮侑は嫌な人には見えなかった。もしかしたら、悪い面しか見てないからかも知れないと思い、私はスマホを差し出した。
｢おおきに！！｣
私の連絡先をゲットした宮侑は目を輝かせてそう言った。
教室に戻ると、もう私の悪口は聞こえんかった。私が戻ってきたらまた言うかと思っとっとのに。
｢あ、おかえり伊桜。北先輩の妹やて、みんなに言ってもうた。ごめんな？｣
恐らくみんなの誤解を解いてくれたんだろう。
｢いやいや！逆にありがとう！｣
｢おん〜笑｣
笑恋ちゃんと友達になれてほんまに良かったわ。
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紗々(プロフ) - のりりんさん» お話内でも書きましたが、ありがとうございます！面白いなんて言ってくれて…(感激) (2021年3月28日 22時) (
レス) id: 41a73f412a (このIDを非表示/違反報告)
のりりん - とても面白かったです！更新待ってます！ (2021年3月28日 6時) (レス) id: a9987baaee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗々 | 作成日時：2021年3月27日 11時
