6話．謝罪 ページ13
臨海学校が終わった翌日は1年生だけ休みで、今日からはまた学校だ。しかも授業が始まる。
お兄ちゃんは朝練がないようで、電車で一緒に登校することになっている。私は何度も忘れ物がないか確認し、家を出た。
｢伊桜、今日から授業やんな。忘れ物ないか？嫌なことあったらすぐ言うんやぞ。それと勉強で分からんことあったらいつでも俺に……｣
｢わ、分かった分かった(笑)それよりぶかっ、つー、ぅうおっ?!｣
電車が止まる拍子に私の体がグラッと揺れる。すると大きな手が私の腰を掴んだ。
｢っ大丈夫か？気ぃつけえや。なんか言いかけとったみたいやけど、なんや。｣
｢あっ、ううん。やっぱ何でもないわ！｣
つり革につかまっていたお兄ちゃんが私を支えてくれていたのだ。嫌でもキュンキュンしてしまう。私達は兄妹だけど、ときめくのは仕方のない事だった。
……いや、仕方ないの。ほんとに。
｢…伊桜、昨日言おうと思っとったけど疲れとるみたいやったから言わんかった。｣
｢ん？どうしたん？｣
｢……今日、侑から謝ってもらい。｣
ん…？もしかして侑って、宮ツインズの金髪の方？？
｢侑って、金髪ヤンキー野郎??｣
あ…しまった……心の声が……。
｢…ははっ、金髪ヤンキー野郎って笑｣
｢あ、あははは…｣
とりあえず苦笑いをしておいた。
｢侑にはよう言い聞かせとったから。許さんでもええ。ただ、謝罪は聞いてやってくれや…｣
｢…おん。｣
その話をしたところで学校の最寄り駅に着き、私達は電車を降りた。
｢笑恋ちゃんおはよ！｣
｢おはよう、伊桜｣
｢なんかさ、お兄ちゃんから宮侑に謝ってもらえって言われたんやけど、そもそも会わんくね？って思って。｣
私はふと浮かんだ疑問を口にする。
｢ふーん。もし教室にまで来たら凄いことなるなぁ｣
｢えっ？｣
教室…？考えてもみんかったわ。
｢謝ってもらえ、って私から行かなあかんかと思ったわ。｣
｢なんで被害者がわざわざ出向いてやらなあかんねん。｣
笑恋ちゃんはキレ気味でそう言った。笑恋ちゃん、意外と根に持つタイプ？
｢あはは、それもそうやね。でも流石に教室には来んやろ笑｣
｢分からんよ。アイツ、今頃伊桜に謝りたくてうずうずしとるかもw｣
アイツって…w まぁ金髪ヤンキー野郎呼ばわりしてた私が言えないけど笑笑
しかし、事件は突然起きた。それは昼休みが始まって20分くらいたった頃。なんだか廊下が騒がしくなった。
女子がキャーキャー言っている。
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紗々(プロフ) - のりりんさん» お話内でも書きましたが、ありがとうございます！面白いなんて言ってくれて…(感激) (2021年3月28日 22時) (
レス) id: 41a73f412a (このIDを非表示/違反報告)
のりりん - とても面白かったです！更新待ってます！ (2021年3月28日 6時) (レス) id: a9987baaee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗々 | 作成日時：2021年3月27日 11時
