幼馴染34 ページ35
ピピピッピピピッ
心地よい眠りは無機質な音に邪魔される。
目を開くと部屋には朝日が差し込んでいた。
「ふぁあ……ぁあ」
大きな欠伸を一つ。
「あー起きるかぁ」
のそのそを布団を退かし重たい体を動かした。
「…………?」
なにか足りない気がしたが、気のせいだろう。
新しい生活が始まり体が慣れていないせいだ。きっと。
数日前の夜。気がつくと首領の部屋にいた。姐さんも一緒で何事かと聞けば突然
「もう君は必要ない。今すぐここから出ていきなさい。新しい職場は用意してあるから」
そう言われてポートマフィアを辞めさせられた。何が起こったのか全く理解出来てない。けれど、あの首領にそう言われたなら仕方ない。
幸いにも新しい職場は家の近くで、ごく普通の会社。私の履歴も全て書き換えられ一般人として受け入れてもらった。
なに不自由ない生活。
それなのにどこか、心の奥がぽっかり穴が空いたような気がする。
あの夜からその感覚はずっと残っていた。
「まっ、いっか!」
考えても無駄だと判断し、私はスーツに着替えた。
――――――――――――――――――――――――――――――
「先輩!次!次行きますよ!!」
「え〜桜木ー俺もう疲れたー」
「あんた私の上司なくせして何いってんすか!!!」
頼れるがめんどくさがり屋な先輩を引きずり私は次のフロアへと歩き出した。
「桜木、今日飲みに行こう」
「嫌です」
「奢る」
「行きます」
はえーよ!って笑う先輩に頭を叩かれる。そんな他愛もないことをして、今日の晩御飯に心を踊らせた。
――――――――――――――――――――――――――――――
「先輩、大丈夫ですか?早くしないと奥さんに怒られますよ」
「おーそれはやべぇな。桜木も気をつけろよー。横浜の夜は危険だぜ?」
ドヤ顔していう先輩はお酒のせいで顔が真っ赤だった。
そんな、先輩に適当に返事をして私は帰路へつく。
その時だった
「えっ!?」
ガシッと両腕を掴まれ裏路地に連れていかれる。最近横浜では人攫いがよくあるから気をつけろと聞いた。
まさか、そんな
怖くなって抵抗するがあまりの恐怖にうまく力が入らない。
……誰か!
「なんだ、てめぇ!ぐぁっ!??」
突然殴るような鈍い音と私の手を掴んでいる男の声がした。
男は殴られた反動で遠くへ飛び意識を失う。
呆気に取られていると殴った人が私に向けて手を差し出した。
「おい、手前大丈夫か?」
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麗亜@眠い。(プロフ) - 失礼します。只今中原中也誕生祭実施中です。よかったらご参加お願いします (2017年4月29日 15時) (レス) id: f73bf57bf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るいあ | 作成日時:2017年2月14日 21時