五日目 ページ7
酒場に入ると真昼間なのに飲んだくれた人々で溢れかえっていた。このような場所は男性が多いと思っていたが、女性も沢山いて意外だった。
それよりも、さっきからテーブル席の方でポーカー等の賭け事をしている人が目立つ。なんと言っても揉めている人が多いからである。
負けたら腹いせに殴られこそしないが、中々な暴言が飛び交う険悪な状況となっていた。いつもの事なのか店主はそれを止めもしない。
我が兄を見上げてみると、空いている席を物色しているようだった。と言うか、イカサマなんてズルい事をする為にバレない席を探しているんじゃあないか!?
待って、それバレたらマズくない？ 稼ぐどころか盗られるよ!?
そんな私の心情を少しも察しようなんてするわけ無く、早々に他の席より薄暗い端の席に座った。私もその隣に座るが、何をすればいいのだろうか。
「ねぇ、お兄ちゃん。私も何か手伝えることある？ポーカーとかは全然出来ないからそれ以外で」
「正直なところ、座っててくれるだけで相手が寄ってくるんだが……。ほら、あっさり釣れたぞ？」
酒場のドアのベルが鳴り、屈強な男が他の席に見向きもしないでこちらにやってきた。なんとなく私に視線が注がれている気がする。
そんな様子を見てディオは余裕綽々で、怯むことなく寧ろ挑発的な笑みを浮かべていた。そりゃ、大物になるわと他人事に思っていた時。
「やぁ、ポーカーでもするかい？ まぁ、それなりに料金は取るが、勝ったら賭けた文の倍の額で返そう」
「お兄ちゃん！ そんな最初から馬鹿みたいな設定額でいいの？ 勝てるの？」
「まぁ、Aは大人しく見ていなよ」
その言葉の中には絶対勝つと言う、勝ちへの執着心が垣間見えた。対戦相手の男は妹の前で恥かかせてやるぜ！ と意気込んでいたが、それは負けるフラグである。
結果、その男はフラグを無事回収して、ディオにお金を巻き上げられ悲しい捨て台詞を吐いて出て行きました。ご愁傷さま。
あ、ちなみに全然ポーカーのルール分かんなかったので男が捨て台詞を吐くまでは、ディオが勝っただなんて知らなかった。
イカサマしてたのかなぁ。ディオ。全然見破れなかったや。
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 403人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kaki氷 - めっちゃ面白いですよ！ニヤつきが隠せませんでしたね！終わってて残念ではありますが、読ませて頂き有難う御座いました！ (11月14日 17時) (
レス) @page36 id: 2e64819f3b (このIDを非表示/違反報告)
死神(プロフ) - とても面白いです！！終わっているのが本当に勿体ないです､､､続きを､､､､！どうか続きをお願いします！！ (2021年10月20日 1時) (レス) @page36 id: e8c18d6184 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 更新が終わってるのが勿体無いです…続きが気になります! (2020年11月14日 9時) (レス) id: 990f265493 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - めっちゃ面白いです！！ (2019年6月29日 13時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
瑠射 - コーヒー牛乳さん» ありがとうございます！ 無理のない範囲で更新したいと思います！ (2019年2月3日 20時) (レス) id: 62553ed4b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
