▢黛灰 ページ15
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「…泣いてるの、自覚無い？」
そう言われて目元に触れれば指先が涙で濡れていく。
慌てて袖で拭い取るけどなかなか止まってくれなくて、人前で泣いてしまったという羞恥心でグシグシと目元を強く擦ってしまう。
するとパシリと手首を掴まれて手を目元から引き離されてしまった。
「そんなに擦ると赤くなるよ」
「……うん」
「ティッシュ持ってきたからそれ使って」
「ありがとう、ございます…」
ぽん、と手渡されたティッシュ箱。それを膝に置いて３枚程抜き取り目元にぎゅっと押し付けた。
「ねぇ、名前は？」
「…栗空A、です」
「俺は黛灰。どーぞよろしく。同い年だろうし敬語なくていいよ」
「分かった、ありがとね黛くん」
止まりかけていた涙がまた溢れそうになった。その苗字はさっき見ていた夢に出てきたあの人の苗字と同じだから。
プレイ中はあんなに気まずかったのに、今となってはすっかり懐かしいものに変わっている。会いたいという願いが少し強くなってしまった。
もう１枚ティッシュを取り出して涙を拭き取る。……うん、止まったね。
無意識の内に薄く笑みを浮かべると、それを見た彼は気遣うような声で話しかけてくる。
「差し支えなければ泣いてた理由、聞いてもいい？」
「え、」
「心に溜め込むよりも話してスッキリした方が良いかもよ」
「そ、だね……じゃあ、聞いてくれる？」
「うん、話して」
いつもならなんでもないよ、と逸らしてしまう事。それをなんだか今日は話したくて、誰かに聞いて欲しくて、この記憶は偽物なんかじゃないと知って欲しくて。
所々フェイクを入れながらもポツポツと話した。
懐かしい夢を見た事、黛くんと同じ苗字の人がいた事、寂しくなってしまった事、会いたくなってしまった事。
あーあ、未練がましいな。
「…その人とはもう、会えないの？」
「会えないなぁ。小さい頃はお家近かったしよく遊んでもらってたんだけど、私が引っ越しちゃったからどこにいるか分からないんだよね」
「…そっか」
私の初恋かっさらったんだよあの人。どうでも良さそうな顔してた癖に綺麗に奪ってった。酷いよなぁ。
もう想いは綺麗さっぱり思い出になってるから元気にしてるかな〜って考える人くらいなんだけど、やっぱり会いたくなるものは会いたくなる。
ふと気になる事を思い出す。それは彼が何故ここにいるかという事だ。
多分、入学式は終わったんだよね？
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ゆずもち@(プロフ) - くるみさん» コメントありがとうございます。やらかしてましたー！すみません！それとコメントが引っかかってしまうので消させていただきます…！すみません！ (2023年4月30日 12時) (
レス) id: 893f10864f (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち@(プロフ) - あからみさん» コメントありがとうございます。大丈夫そうかな？と思ったので外しました！ (2023年3月13日 0時) (レス) id: 893f10864f (このIDを非表示/違反報告)
あからみ - うっひょうぃ！！！！！！！！！パスワード外れてまた見れるぅぁぁぁぁあ！！！！！！！！！ (2023年3月5日 19時) (レス) id: 4aa51a475e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち@(プロフ) - 結葉さん» ボードに表示しないです…！すみません(--;) (2023年2月8日 14時) (レス) @page32 id: 893f10864f (このIDを非表示/違反報告)
結葉(プロフ) - パスワードはボードに表示しますか？ (2023年2月8日 1時) (レス) id: d9ce17d90a (このIDを非表示/違反報告)
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