8 本人確認…? ページ8
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いやしかし。
私、結構凄い人に認知されてたんだな…ただレモンティーを買いに行ってるだけなのに。
…あ、
『てことはさ』
「ん?」
『凪くんも私の事知ってたのかな?』
凪くんと初めて話したのはほんの三日前だけど、もしかしたら向こうは既に私の事、さらに言えばレモンティーが好きだということを知っていた可能性もあると思ったのだ。
御影くんと同じサッカー部なら尚更だ。
凪くんが名前も知らない(一応クラスメイトではあるのだが)私のことをじっと見つめてきたのも、もしかしたらレモンティーが欲しいという欲以外にも、いつも見かけている自販機の主()本人なのかどうかを確認するためであったのかもしれない。
「いや、どうだろ。こいつ周りなんにも見てねぇからな。」
『………だよね。』
うん、ちょっとだけ期待した私が馬鹿だった。
凪くんの性格を見ればそんなこと分かりきっていただろう。阿呆か。
にしても御影くん、凪くんに結構辛辣な物言いだね。少し、いやかなり驚いた。
「んん…なんかうるさい。」
「あ、凪起きた。」
「…レオ?まだ教室戻ってなかったんだ。」
「なんだよその早く帰って欲しいみたいな言い方、傷つくだろ!」
「えー、なんで俺がレオのために言葉選び慎重にならないといけないの。」
そうか。この二人はお互いがお互いに辛辣なのか。
『…ふふ、なんだそれ。ウケる』
「…?レモンティーなんで笑ってんの?」
『それ私の事?』
こいつ、急に寝て起きたかと思えば人に大概なあだ名つけるんだな。
どっちもどっちか。私だって「万年生意気寝太郎」とかいうあだ名を作っては、しばしば心の中で愚痴っているのだから。
そんなくだらない話をしていると、あっという間に昼休みが終わるチャイムが鳴り響いた。
御影くんがそれに反応し、「じゃあな凪、ちゃんと部活来いよ!」などと言い捨てながらこの場を去っていった。対する凪くんは「めんどい…」と死んだ魚のような目をしながら呟いていたものだから、矢張り温度差が激し過ぎると改めて感した。
御影くんがこの教室から去って行ったのと同時に、周りにいたギャラリー達もどんどん離れていくのが分かる。
そしてわたしは再度思うのだ。
私場違い感半端なくない?
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お芋うまうま。(プロフ) - みるくてぃさん» はい!ありがとうございます😊 (2023年1月19日 7時) (レス) id: 7a2529d498 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃ - 模試、頑張ってください!!待ち遠しいですが、それまでレモンティー飲みながら待ちたいと思います!! (2023年1月19日 2時) (レス) id: 3c2db5a967 (このIDを非表示/違反報告)
お芋うまうま。(プロフ) - みるくてぃさん» コメントありがとうございます!タイプだなんて嬉しすぎます 💞 土曜日の模試が終わり次第更新していきたいと思いますのでしばしお待ち頂けると幸いです、! (2023年1月18日 23時) (レス) id: 7a2529d498 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃ - めっちゃタイプです!!毎日更新楽しみにしてます!!! (2023年1月18日 1時) (レス) id: a0e318be61 (このIDを非表示/違反報告)
お芋うまうま。(プロフ) - ゆずりはさん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けて私も幸福です、クラフトボスレモンティー…名前からして美味しそうですね、是非二人に飲ませてあげられるよう上手く誘惑してみようかな…(( (2023年1月14日 18時) (レス) id: 7a2529d498 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お芋うまうま。 | 作成日時:2023年1月10日 17時