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11 傍若無人 ページ11





『え』






何が起きたのだろう。

突然腕を引っ張られる感覚がした。私はそれに逆らう暇もなく、呆気なくなにかにすぽりと収まった。





___私の目の前には、壁。

身体は何だか暖かい。何かに包まれているような、そんな感覚。

要するに、誰かに抱きつかれているのだ。





___そして私は理解した。

これは凪くんと向かい合わせに抱き合いながら座り込んでいる体制なのだと。







突如、心拍が急上昇する。







『え、凪くん?…何してるの?』


「…すぴー」


『…』








もう寝たなんて、そんな事はないだろう。








『凪くん』


「…ん」


『これは何?』


「丁度いい抱き枕があると思って。」


『いや私佐藤です』


「知ってるよ」







知っててこうしてるのか。だとしたら余計タチが悪い。





…それにさっきから心臓がうるさいんだ。早く離れて欲しい。


好きな人とかは関係なく、異性に抱きつかれるなんて、緊張しないわけがない。


あと一応私達そこまで仲が良かった訳ではないはず…





何故急にこんなことをしてきたのか。マジで凪くんの思考回路はよく分からないが、私にはやるべきことがあるんだ。








『あの、私もう帰りたいんだけど』







そう、私はこんな寝坊助に構っている暇などない。これまで一度もスローガンを破ったことはないんだ。ここまで来たら意地でも守りたい。






「やだ」


『やだじゃない、もう私帰ります!』


「ねぇ、動かないでよ。」


『…っ!』






力、つよ…






「眠いから、付き合って。」






もちろん、俺の睡眠に、だろう。





言葉足らずな部分が多いせいか、凪くんの言動はやや誤解を生む。






そして次こそ本当に寝始めた。



ほんとに傍若無人な人だ。動物に例えるなら絶対猫だろう。…いや、ナマケモノか?









とにかく私は、貴重な放課後という時間に、彼の睡眠に何故か付き合う羽目になってしまったのである。




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お芋うまうま。(プロフ) - みるくてぃさん» はい!ありがとうございます😊 (2023年1月19日 7時) (レス) id: 7a2529d498 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃ - 模試、頑張ってください!!待ち遠しいですが、それまでレモンティー飲みながら待ちたいと思います!! (2023年1月19日 2時) (レス) id: 3c2db5a967 (このIDを非表示/違反報告)
お芋うまうま。(プロフ) - みるくてぃさん» コメントありがとうございます!タイプだなんて嬉しすぎます 💞 土曜日の模試が終わり次第更新していきたいと思いますのでしばしお待ち頂けると幸いです、! (2023年1月18日 23時) (レス) id: 7a2529d498 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃ - めっちゃタイプです!!毎日更新楽しみにしてます!!! (2023年1月18日 1時) (レス) id: a0e318be61 (このIDを非表示/違反報告)
お芋うまうま。(プロフ) - ゆずりはさん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けて私も幸福です、クラフトボスレモンティー…名前からして美味しそうですね、是非二人に飲ませてあげられるよう上手く誘惑してみようかな…(( (2023年1月14日 18時) (レス) id: 7a2529d498 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お芋うまうま。 | 作成日時:2023年1月10日 17時

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