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Melody52 ページ25

メロディーが止んだ。

静かになった音楽室。


「 ma cherie 」


響いたのは、どこか異国の言葉。

本番前に拓人先輩が呟いた言葉。


「 A 」


優しい声。


「 俺さ、今まで何かのためとか、誰かのために曲を作ったことなかったんだ 」

「 ……… 」

「 でも、この曲は違う 」


拓人先輩の声色が変わった。

真剣な声。


「 Aのために作った 」

「 えっ…… 」


その言葉の意味を理解するのに時間がかかった。

わたしの、ため…?


ゆっくりと振り返ると

強い瞳がわたしを捕まえる。

身動きがとれなくなるくらいの

真っ直ぐな瞳。


「 Aのことが好きだ 」

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作者名:風怜(Ruru) | 作成日時:2011年12月23日 20時

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