恋花火。

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『あともう少しで止む予報だからもう少し居たら？
嫌じゃなければだけど。』

「嫌なんて、とんでもないっ！」

『あ、そう？早く帰りたいのかと思ってた。』

「あんまり居たら迷惑かなと思って...」

『そんな思うわけないでしょ？』

そう言うと、『なんか観る？』とテレビのリモコンを取って電源を入れた。

「あ、はい。」

そう答えるとリモコンを置いて後ろのベッドへ歩いて行った。
ボフッと音がして多分ベッド寝転んだんだなぁ。と背中の音と感覚でわかった。



テレビではお笑いのネタ番組が流れていて

いつもなら笑える内容なのに









マジで内容入ってこない...

ソファー越し

背中に神経が全集中してて

振り向く勇気はないし、

でも何してるのかも気になるし、

只々、テレビに向かって視線だけは向けて

時間を過ごしていた








けれど、


最初はそんな状況だったけれど

お風呂に入って

ごはんも食べて

そうしたらやっぱり人類皆

眠くなる...



ぽーっとする頭が何かに触れた





手...？



少し後ろに振り向くとソファーの背もたれの後ろに中腰で寄りかかってわたしの頭を支える倫也さんがいた


「あ。すいません、わたしウトウトして...」







『うん。...じゃあさ、









...しよっか。』









え.....









『此処と向こうどっちがいい？』






ソファーとベッドを目線だけで指す倫也さん









「じゃあ...此処で。」




そう言うと、コクンッと小さく頷いてゆっくり立ち上がった倫也さんはわたしの横に座った









『ベッドは寝っ転がれるけど、ちょっと遠いよね。
だから正解だな。』

そう言うとコントローラーをわたしの手にポンッと渡した。

今流行りの対戦型ゲーム


わたしと倫也さんの間にピンクやムラサキ色の類の空気が流れる事なんてやっぱりないのだ


この家に来たばっかりの時のわたしに言ってやりたい


どの立場で期待してんだスットコドッコイがっ！と。








こうなったら俄然負けたくない！

わたしのことを全く女として見ないこの男を打ち負かしたい！



「倫也さん、本気でやりましょう。
わたし、目覚めたんで。色んな意味で。」


コントローラーをギュッと握り、前髪を結んで戦闘モードに入った



『おー強そぉ〜。
よぉし、やろうやろう！』

嬉しそうにゲームの電源を入れる倫也さんに

「飲みますよね？！」

と言い私は

ヤケクソモードに入った

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