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「今日は御馳走様でした。」
涼風の玄関先でヨシおばあちゃんにお礼を言った。
『付き合ってくれてありがとうね。またデートして頂戴ね。』
そう微笑むヨシおばあちゃんに「是非!」と言って挨拶をしてから部屋へ戻った。
静かな部屋で一人になったら
さっきの話が頭にまた広がった
なんとも言えない気持ちに耐えきれず振り切るように湯船へと向かった
夜も更けて
どうしても冴えてしまっている思考回路が邪魔をして寝付けないわたしは「もうお酒に頼って寝てしまおう...」そう思い館内の自販機に向かった
1階のロビーの裏手にある自販機に小銭を入れようとした瞬間
ガシャンッ!!!
何かが崩れるような音が聞こえた。
奥にある事務所の辺りから聞こえた気がして覗こうかと思ったけれど何かわからない恐怖で中々足が動かない
けれどこのままにしておくことも出来ない
意を決して片手にケータイを握りしめた状態で暖簾をゆっくり捲った
奥の部屋の電気が付いていた
ーヨシおばあちゃん...?まだ作業でもしてるのかな?ー
「...失礼します.....。あの、誰かいます?」
少し奥に進み部屋を見渡すと部屋の端に溢れた湯呑みが見える
..........え...
やだ....
やだやだやだやだやだ........
「ヨシおばあちゃん!!!」
奥に進んだわたしの目に飛び込んできたのはおでこから赤い血を流して横たわって意識のないヨシおばあちゃんだった
やだやだやだ
手が震える...
どうしようどうしようどうしよう
落ち着かなきゃ
嫌だ
助けて...ヨシおばあちゃん
パニックになりながらもなんとか握りしめていたケータイから119番に電話を掛けた
震える声で懸命に救急隊員の方に状況を説明する
電話口の人は慣れたように聞き取り、すぐに救急車を向かわせますと言ってくれた。
けれど、電話を切った途端、目の前で顔を歪めて倒れているヨシおばあちゃんの手を握る以外何も出来ない自分とこの先の不安で涙が止まらなくなった
鳴り止まない鼓動
止まらない涙
音のない部屋に広がる計り知れない不安にひとりでは耐えられなかった
震える左手で発信ボタンを押した
プップップ...カチャ
〔...はいはい?やっと連絡きた。どしたよ?〕
電話口から聞こえた倫也さんの優しい声
止まらない涙が余計に溢れて
振り絞るように言った...
「助けて.....倫也さん.....
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RJS(プロフ) - 読み進めて頂ければ本名として読み手さんのお名前になりますのでもう少し読み進めて頂ければと思います。宜しくお願い致します!ご意見ありがとうございました! (2022年9月22日 9時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
RJS(プロフ) - 游さん☆コメントありがとうございます。この物語は一般の方設定で、【四月の夜は。】はこのお話をドラマ設定として書かせて頂いてます。【四月の夜は。】は主人公の名前は歌手設定なのでアーティストネームが【rtzu】です。 (2022年9月22日 9時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
游 - それともう一つこの物語の主人公ちゃんの名前は固定なんですね。。。 固定なら固定で良いので前もって作品紹介の所に書いていて欲しかったです。。。 (2022年9月21日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
游 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜分遅くにいきなりすみません。。。 お聞きしたいことがあるのですが。。。 この物語に出て来る中村さんは芸能人の設定ではなくて一般人の設定なんですね。。。 (2022年9月21日 1時) (レス) @page1 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RJS | 作成日時:2021年10月10日 1時