36. ページ36
「それじゃあそれから朝海達はずっと一緒に育ったんですね。」
『ん〜ともちゃんがこの街出てくまではね、そうね。』
「...倫也さんこの街離れてたんですか？ずっと居るもんだと思ってました。」
『ともちゃんがこの街に戻ってきたのはゆりちゃんが亡くなってからよ...。
亡くなったその月に戻ってきたと思ったら、【碧】をやるって。
そうそう、あのお店は元々ゆりちゃんのお店だったのよ？』
「あの...ゆりちゃん...さんって.....」
『ともちゃんのね、お母さん。器量が良くてね、ほんとともちゃんはゆりちゃんそっくりよ。』
「...知りませんでした...。お母さん..亡くなられてるんですね。」
『でももう随分と前のことだからね。
ゆりちゃんが居なくなってわたしたちも気持ちが落ちてしまってね。そんな中でもともちゃんはずっと笑ってて、本当はいちばん辛かったろうに...でもそんなともちゃんにみんな救われたの。
それは今でもそうね。
あの子はみんなの心を穏やかにしてくれる、ほんとに優しい子だから。』
「..........。」
何も言葉を返せなかった
わたしの知らない倫也さん
痛みをたくさんたくさん感じて
でもそれを外に出さないでいる
でも...わたしが知ったところで
何も出来ない
それがすごく悲しかった...
『でも今はね、大海くんが居て、真夏ちゃんも居てくれてるから安心してるのよ。
だから大丈夫よ。
そうね。ゆりちゃんが居たらきっとAちゃんのこともすごく可愛がってたはずよ？朝海もすごく懐いてたから。』
少し微笑むのが精一杯の私に、『あ、あの写真。ちょっと待ってね。』とヨシおばあちゃんは大輔さんのお店のキャッシャーの傍に置いてあった写真立てを持ってきた。
『これがちっちゃい頃の朝海、これがともちゃん。後ろに居るのがわたしと大ちゃんね。で、この朝海とともちゃんの間で笑ってるのがゆりちゃん。』
指差しながら説明してくれるヨシおばあちゃん。
そこには幸せそうに笑う幼少期の倫也さんがいた
隣で笑うゆりさんの笑顔は今の倫也さんの笑顔にそっくりだった
「倫也さんのお母さん...とっても美人ですね。」
そう言って目線を少し落とすと見覚えのあるネックレスがゆりさんの胸元で光っていた
それは紛れもなく今の倫也さんの首元で光っていたものと同じだった...
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RJS(プロフ) - 読み進めて頂ければ本名として読み手さんのお名前になりますのでもう少し読み進めて頂ければと思います。宜しくお願い致します！ご意見ありがとうございました！ (2022年9月22日 9時) (
レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
RJS(プロフ) - 游さん☆コメントありがとうございます。この物語は一般の方設定で、【四月の夜は。】はこのお話をドラマ設定として書かせて頂いてます。【四月の夜は。】は主人公の名前は歌手設定なのでアーティストネームが【rtzu】です。 (2022年9月22日 9時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
游 - それともう一つこの物語の主人公ちゃんの名前は固定なんですね｡｡｡ 固定なら固定で良いので前もって作品紹介の所に書いていて欲しかったです。。。 (2022年9月21日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
游 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜分遅くにいきなりすみません｡｡｡ お聞きしたいことがあるのですが｡｡｡ この物語に出て来る中村さんは芸能人の設定ではなくて一般人の設定なんですね｡｡｡ (2022年9月21日 1時) (レス) @page1 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：RJS | 作成日時：2021年10月10日 1時
