23. ページ23
次の日
朝顔を合わせた朝海は『おはよ...』とおでこを抑えながら『半分くらい覚えてない...』と言った
「おはよ。倫也さんが運んでくれたよ。」
『そっか。ごめん、A大丈夫だった？』
「うん、楽しかったよ。」
『なら良かった...いやぁ頭痛い。はぁ...』
フラフラしながらも「こっち、浴衣受け取って。」と裏へ案内してくれた。
裏に入るとヨシおばあちゃんがせっせとタオルを畳んでいた。
「おはようございます。今日からお世話になります。」
［あら、おはよう。
Aちゃん、本当に大丈夫だったのかしら？
朝海が無理矢理お誘いしちゃったんじゃあない？］
「いえ、未経験ですしお役にたてるかわかりませんが宜しくお願い致します。」
［少しづつ覚えていってもらえればいいのでね、
本当に助かります。ありがとう。］
「はい、頑張ります。」
その日から一日中、朝海にぴったりくっついて必死に仕事を覚えた。
旅館の仕事はやることも多くて
毎日が目まぐるしくあっという間に過ぎていった
そんな中、たまに朝海と仕事終わりに【碧】に行ったり
朝の水まき中に外で会えば挨拶して
毎日ほんの少しの時間だけど
倫也さんとも顔を合わせていた
涼風で働き始めて1週間が経った頃
〔こんにちは。〕
「いらっしゃいませ、吉田様。お待ちしておりました。」
本日宿泊予定の吉田様が小さな男の子を連れていらっしゃった。
「ご案内致します。」
やっと少し涼風にも慣れて余裕も出てきた
スタスタと歩き部屋までご案内する
「こちらのお部屋でございます。」
そう案内すると、
〔海がよく見えるお部屋ですね。ありがたいです。〕
そう微笑む吉田様。
吉田様は作家さんらしく海を見ながら今書いているものを仕上げたいと涼風を予約してくださったらしい
「はい。お気に召して頂きありがとうございます。ではなにかございましたらなんなりとお申し付け下さい。」
そう伝えて襖を閉じようとすると、
〔あのっ、少し無理なお願いも聞いてもらえたりしますか？〕
駆け寄ってきた吉田様は後ろに隠れている小さな男の子を少し前に出して
〔この子、友(とも)って言います。ちょっと人見知りなんですけど、この子に海を見せに行ってもらえませんか？〕
わたしが覗き込むと吉田様の後ろで少しだけはにかむ姿が見えた
その日はとくに忙しくない日だったので
「はい、わたしで良ければ」
そう答えると吉田様はほっとした顔で優しく微笑んでいた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RJS(プロフ) - 読み進めて頂ければ本名として読み手さんのお名前になりますのでもう少し読み進めて頂ければと思います。宜しくお願い致します！ご意見ありがとうございました！ (2022年9月22日 9時) (
レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
RJS(プロフ) - 游さん☆コメントありがとうございます。この物語は一般の方設定で、【四月の夜は。】はこのお話をドラマ設定として書かせて頂いてます。【四月の夜は。】は主人公の名前は歌手設定なのでアーティストネームが【rtzu】です。 (2022年9月22日 9時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
游 - それともう一つこの物語の主人公ちゃんの名前は固定なんですね｡｡｡ 固定なら固定で良いので前もって作品紹介の所に書いていて欲しかったです。。。 (2022年9月21日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
游 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜分遅くにいきなりすみません｡｡｡ お聞きしたいことがあるのですが｡｡｡ この物語に出て来る中村さんは芸能人の設定ではなくて一般人の設定なんですね｡｡｡ (2022年9月21日 1時) (レス) @page1 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：RJS | 作成日時：2021年10月10日 1時
