【実*況*者】砂糖→塩【rtrt】

２２さじ ページ22

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楽しかった宿泊学習も終わり、夏休みもあと１ヶ月くらいになってしまった。


今日は玲斗くんと登校できて、幸せな１日が始まった。


「Aおはよー」


玲斗くんと一緒に教室に入ってきた私に一番初めに挨拶してきたのはゆかりんだった。


「今日レトさんと来たんだね。最近いい感じじゃん！」


"そんなことない〜"と言いながらも、私自身手応えを感じまくっている。


そんな私をよそに玲斗くんは平然としている。



「あ、レトさん来た！レトさんあの話聞いた…？」


玲斗くんが席に着いたと共に声をかけたキヨくん。


あの話って…なんだろう。


気になって、耳をすませてみた。


「やえの話」


「やえがどうしたの？」


ん？"やえ"？誰だろう。


「宿泊学習の時の山登りで怪我したらしい」


「…え、今はどうなってんの」


「学校は来てるらしい。俺は見てないけど」


「…じゃあ、大したことないね」


「遠ざけてんの？」


「別にそんなつもりは」


「やえは、レトさんに来てもらったら嬉しいと思うけど」


全く話についていけないのですが。


"やえ"さんは玲斗くんとキヨくんの知り合いで、この学校にいる。


宿泊学習で怪我をして、玲斗くんは"やえ"さんを遠ざけてて"やえ"さんは玲斗くんに来てもらうと嬉しい…。


どういうことか全く分からない。



「A、気になってんでしょ」


後ろからゆかりんに声をかけられ、図星で体が固まる。


「うん…私、ちょっと聞いてくる」


不安気な表情の玲斗くんに声をかける。



「玲斗くん…"やえ"ちゃんって子と、どんな関係なの…？」


どストレートに質問した私に、玲斗くんは数秒悩んでから答えた。



「Aには関係ない」



その一言で玲斗くんに距離をおかれた気がして、頭が真っ白になった。


そうだよ、私、玲斗くんのこと知りたがりすぎてる。


私には関係のないことも、何もかもを求めすぎてる。


駄目だよね、そんなの。







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