4.ライブ前の ページ6
S1が開催される数週間前、今日はS2の開催日。
講堂の周りはたくさんの生徒たちでごった返していた。
席はすぐに埋まり、ぞくぞくと中に入っていくひとびと。
その中にAの姿もあった。
「あ〜、にーちゃんじゃ〜ないか〜。
やっほ〜。
お疲れ〜、応援してるからね〜」
な「んみゃっ!?だ、誰らと思っららAひんら〜……。
なんでマスクに眼鏡につけてるんりゃっ!?
心臓止まるかと思っらぞ〜!」
そう、Aはこの日変装をしているのだ。
黒いマスクに伊達眼鏡……王道といえば王道の変装姿である。
「いや〜?
なんとなく〜……というか〜、やってみたかった？
芸能人っぽいよね〜……ちょっと憧れてる〜」
な「はあ、まあいいけど。
まったく、たまに気まぐれで動くの、やめてほしいんだけどなー?」
「以後気をつけま〜す」
創「にーちゃーん、もうすぐ僕たちが講堂に入る時間………
あれっ?
あのっ、あのっ……!もしかしてねむねむさん……!?
えっ……うそっ……」
な「うん、教えてくれてありがと。
えっと、こいつは(ネットでの名前)で間違いないぞ?」
なずなとAが話していると向こうから駆けてきた淡い水色の男の子。
Aに気づいた瞬間目を輝かせたり慌てだしたり忙しそうだったが、
さっきのなずなの言葉でトドメを刺されたようだ。
今度は放心状態で棒立ちになってしまった。
「お〜い、大丈夫かな〜……?
えっと、あなた、私のファンだったりします〜……?」
Aの質問に激しく首をコクコクふる創。
一瞬で放心状態から復活したかと思うと、いつもでは考えられないほど熱く喋り出した。
創「えっと、僕ねむねむさんのファンなんです!大ファンです!!
僕がこの学院に来て、アイドルを目指そうと思ったのはねむねむさんを見たからっていう理由もひとつで……!
ライブとか一回も行けなかったけど、いつか絶対行きます!
ねむねむさんにはまだ全然及ばないけど、僕今日頑張るので……!
ぜひ楽しんでってください!!」
「そうなんだ〜、私の大ファン〜♪
そっか〜、私に憧れてくれてるんだ……。
私の本名は東雲A〜。
本名の方で呼んでくれると嬉しいな〜」
創「し、紫乃創ですっ……〜!」
「創くんか〜!
たくさん応援するからね〜、頑張ってね〜!」
そう言って創の頭をよしよしと撫でるA。
創はうつむいて顔を真っ赤にして、はにかみ笑いを浮かべていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
むいのすけ717 - リンリンさん» コメントありがとうございます! (2020年2月17日 21時) (
レス) id: 08942b1695 (このIDを非表示/違反報告)
リンリン - 〇〇しないと出られない部屋 読みたいです (2020年2月17日 16時) (レス) id: 26c1cf33a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：むいのすけ717 | 作成日時：2019年12月23日 23時
