花屋とギャルソンの僕ら

ギャルソンの僕 6 ページ6

少し寂しそうな藤ヶ谷さんを見て、話を変えなければ、と思った


「自分のお店持つって、楽しい?」



「大変なことの方が多いかな

なんせ、軌道に乗るまでひとりだから

でも、無条件で力を貸してくれる俊哉や友達もいるし、人のありがたみが身に染みて分かるよ

お花を見たお客様が笑顔で帰ってくれるのも、すごく嬉しくてちからになるから、なんとかやっていかれそう」

そう話してくれた藤ヶ谷さんは、優しい笑顔でそう言った



「北山さんは楽しいでしょ、きっと
うちの店から見る時、いつもくるくる、生き生きと働いてる」


「うん！
カフェの仕事、楽しいよ

俺、人が好きだから、いつも人と関わってたくて、
近くにいる人が笑っていたら、それが一番嬉しいって思ってる
　
前はアパレルで働いてたんだけど、いつかカフェと併設したセレクトショップとか、やってみたいんだ

だから今そのための修行中」



「そうなんだ！

いつかおれも今の店をカフェとか服屋とか併設した店にできたらいいなって思ってるんだよ」


「すごい！
俺たち、同じような目標に向かってるんだな！


...俺さ、地方から出て来たからこの辺りには友達あんまりいなくて

藤ヶ谷さんのお店覗いた時、同じ歳くらいに見えるのにすごいな、話してみたいって思ってたんだ

だから、藤ヶ谷さんと知り合えてすごく嬉しい


藤ヶ谷さんに比べたら、だいぶ遅いスタートだけど、俺もやってみようって今また思えたし」


「...俺たちまだ若いし、何かを始めるのに、遅いことなんて何もないと思うよ」
　

力強く励ましてくれるから、果てしなく感じていた夢が、すこし近くなった気がした

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