花屋とギャルソンの僕ら

☆おまけの話☆ ページ47

たいすけと、想いが通じ合った翌日、ご機嫌に鼻歌を歌いながら開店準備をしていると、

「宏光、きのうは藤ヶ谷さんに会えた？」

「あ、は、はい...」

横尾さんに聞かれて、しどろもどろになってしまった


そう言えば、たいすけは住所が知りたくて横尾さんに電話したと言っていた

まさかたいすけは俺たちのことまで話していないだろうけど、横尾さんは何を知っているんだろう...


「最近元気なかったからさ、
藤ヶ谷さんに聞いて貰えばいいなと思って、住所教えちゃったけど、大丈夫だったかなってちょっとだけ心配してたんだ

それにしても、こんなに元気になるなんて、藤ヶ谷さんの力は偉大だな

ほんと良かったよ」



やば、はずかしい

俺って、そんなにわかりやすいんだ

そんなに横尾さんに心配をかけていたなんて、嘘がつけないこう言うとこ、こどもっぽい
んだなあ...


「心配してもらってたのに、すみません...」


「宏光が元気にさえなれば、なんでもいいよ」

横尾さんに頭を撫でられる

どうも、俺の周りは俺より身長が高い人ばかりでいけない

どんどん自分がこどもじみて感じてしまう


「その代わり、今日からまたびしびしいくぞー

近いうち、簡単なテストして、合格したら制服変えるから、がんばれよー」


「え！！

制服、変わるんですか？」


「ホールの仕事も分かってきてるから、そろそろ一人前にならないとね


お客さんの宏光人気はすごく高いし、今のユニフォームの評判もいいから残念な気もするけどね

合格したら宏光がずっと憧れてた黒いエプロンと蝶ネクタイになれるんだから、一生懸命頑張るように！！」


「...やった！！」

まだ試験があるんだからね、
と横尾さんが言った

たいすけにかっこいいおれを見てもらおうと思ったら、俄然仕事もやる気になった

☆おまけの話☆ 2→←「花屋とギャルソンの僕ら」あとがき

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す