花屋とギャルソンの僕ら

ギャルソンの僕 4 ページ4

「え！？
宮田さん、藤ヶ谷さんの親友なの？？」


「おれも今日初めて聞いたんだ
北山さんのお店に時々行くって」


「うん、宮田さん良く来てくれるし、一緒にご飯食べたりする」



この近所にある、おもちゃメーカーに勤めている宮田さんは、とてもフランクで優しくて、店にたくさんお客様を紹介してくれているし、何より店のスタッフも全員彼がとても気に入っている

接待以外で店を紹介してくれる時は、満席だと気を遣ってお客様を案内だけして帰っていくから、マスターが時間外に入れてあげたりしていた

その内、宮田さんがその時間に俺たちに仕事させるのが申し訳ないと恐縮して「お客さん扱いじゃなくていいよ、もし迷惑でなければみんなと同じの食べたいんだけど」
と言ってくれたので、俺たちと一緒に賄いを食べるようになった

いろんな話をするようになって、もともと親しくしていた店長を通して、俺も宮田さんと仲良くなった

宮田さんの好きなアニメの話や宮田さんの会社の作っているゲームの話なんかたくさん教えてくれるし、オンラインゲームで時々待ち合わせして遊んだりもしている

この街でできた、初めての友達だった

その宮田さんと藤ヶ谷さんが、親友同士だなんて
世間はなんて狭いんだろう



「そう言えば宮田さん、時々お花持っていて、あそこの花屋さんのだよ、って言ってた

すごくセンスが良くて、素敵な店なんだって」


「...俺の知り合い、って話さなかったんだね

その方が先入観なくお店を見てもらえると思ったのかな

なんか、俊哉らしい」
　

優しい人の親友は、やっぱり優しいんだ、と妙に納得した

俺も大好きな宮田さんの親友とわかって、藤ヶ谷さんに益々親近感が湧いた





　

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