花屋とギャルソンの僕ら

花屋の僕 2 ページ13

その日はひろみつといつもの店に食事に行っていた

するとひろみつが、

「たいすけ、今度一緒に買い物行かない？
たいすけめっちゃオシャレだからいつもたいすけが見てるお店見てみたい！」

と言った


「あ、たまには出掛けるのもいいね

俺休みが木曜日だけで、今週は仕事で出かけないといけないから、
その次の週なら休みなんだけど...
ひろみつのお休みと合うかな」


ひろみつは急いで手帳を広げて、

「やすみ！！」

と嬉しそうに笑った

やったあ、たいすけと買い物ー

と、ニコニコしている宏光が可愛い


そこに、仕事終わりの俊哉が合流して来た

「ガヤさん、きたみつ！」

「あっ宮っち！！」

ひろみつと俊哉が会うのは久しぶりで、
会うなり最近流行りのゲームの話をし始めた

少しの間隣で聞いていると、携帯が光ったのが見えたので、ふと画面を見た瞬間

心臓が、跳ねた


そこには4年前に別れた彼女、

マイコの名前が表示されていた


あ、と声を出してしまった


ひろみつがどうしたの？と聞いてくる

「あ、うん」

何故か咄嗟に言葉を濁してしまった


「ごめん、ちょっと外すね」

出るか出ないか、少しの間迷ったが、静かな場所を探して席を立った

5回くらいコール音が鳴ったが、おれがまだ迷っている間に着信音が途絶えた

それから数分待ってみたが、携帯が鳴ることはなく、こちらからかけ直すのも憚られたので、
気持ちを落ち着かせて席に戻った




マイコに対して、どうこうしたいと言う気持ちはもう一切ない

それでも、

一時は俺の中で、この先ずっと一緒にいることを考えたひとだ


突然の電話に、動揺しないわけは、なかった

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