ギャルソンの僕 ページ1
閉店時間を過ぎても、藤ヶ谷さんの花屋の照明はいつも灯いている
きっと明日の準備をしているんだろう
メールがあまり来ないのも、本当に忙しいだけなら、何度も誘って大丈夫だったかなあ...
店に着いたはいいけど、さっきの勢いはまた不安に燻って、消えてしまいそうになった
でも、こうしていても仕方ない、せっかく来たんだからと、意を決して恐る恐る中を覗くと、藤ヶ谷さんは座って事務仕事をしていた
俺に気付くと一瞬驚いた顔をしたけど、ふわっと微笑んだ
「北山さん」
その嬉しそうな微笑みに力をもらい、思い切って誘ってみる
「藤ヶ谷さん、お疲れ様
あの...もし仕事終わりそうだったらごはん食べに行かない?」
すると、即答で、
「もちろん、ぜひ
来てくれてありがとう
早く終わらせるから、良かったら店の中で待ってて」
と言ってくれた
メールとは違い、思いの外フランクな話し方だったので、嬉しくなった
ようやく俺も笑顔になって、その言葉に甘えて店に入る
「日にちがなかなか決められなくて、俺から誘わなくてごめんなさい」
「全然、俺こそ忙しいのに何度もごめんなさい」
勧めてもらった椅子に腰掛けながら言うと、
誘ってくれて本当に嬉しいよ、と言ってくれた
「そこ、寒くない?」
首を傾げて聞いてくる
その気遣いと可愛い仕草に、知らず、心臓が音を立てる
相手は男だと言うのに
藤ヶ谷さんて、
なんというか、なんか、変な感じだ
今まで俺が知っていた人たちとは、まるで違う雰囲気を持っている
人を魅了せずにはいられない、独特なフェロモンのようなものを醸し出している
「...だいじょぶ」
顔を隠すように、椅子に深く腰掛けて小さくなる
俺はまだ、この人のことを何も知らない
それなのになぜ、こんなにもこの人が気になるのか、その理由がそこにあるような気がした
それからは仕事の邪魔にならないように気をつけながら、周りをきょろきょろ見渡したり、やっぱりきれいだなあと藤ヶ谷さんの顔を盗み見たりして、時間を過ごした
すると、10分ほど経った頃、ぱたん、と大きな手帳を閉じて、
「よし!」
と立ち上がりながら、
「北山さんお待たせ
終わったよ」
優しく俺の目を見ながら藤ヶ谷さんが言った
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まひろ(プロフ) - むぅさん» むぅ様💕楽しみにしていただけて、とても嬉しいです💕この後2回移行する長い作品になりますが、作者自身愛着のある作品ですのでお読みいただけましたら嬉しいです💕コメント、とても励みになりました^_^ありがとうございます💕 (2022年4月23日 15時) (レス) id: 556833ea58 (このIDを非表示/違反報告)
むぅ(プロフ) - 続編ありがとうございます(o^^o)それぞれの関係も楽しみです。 (2022年4月23日 12時) (レス) @page50 id: cb68aa1da2 (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - ちゃんさん» ちゃんさん💕 この長い作品をもう一度読み返して頂けるなんて、こんな嬉しいことあるでしょうか😭 試行錯誤した作品なので読み辛さもあったと思います せめて住民たちにほっこりしていただけるようにこれからも頑張りますね💕 (2022年2月28日 9時) (レス) id: c0bbe37a0f (このIDを非表示/違反報告)
ちゃん(プロフ) - まひろ様。season2のスタートありがとうございます!ふたりのはじめてのデート、初々しくて可愛いなぁと思ったら、もう一度馴れ初めから覗いてみたくなって、再びこちらに。ふふふ。可愛くてきゅんきゅんですね!周りの皆も優しくて素敵!この街に引っ越し希望です。 (2022年2月28日 8時) (レス) @page50 id: d799d98241 (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - 北山アマージョさん» 北山アマージョさん💕お会いできて嬉しいです!毎日覗いて下さったのですね!!本当にありがとうございました😭💕こちらの2人の暖かい気持ちも受け取っていただけて嬉しいです💕今年もどうぞよろしくお願いいたします🥰 (2022年1月14日 7時) (レス) id: 3fcabd39f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まひろ | 作成日時:2021年12月30日 0時