天使のみつ 3rd

あまえんぼうのみつ2 F ページ9

久しぶりに会ったみつは、今までよりずっと甘えん坊になっていて、どこにでもついてくる


「たいしゅけ、お着替えしゅるの？」
「うん」
「いっちょ行く」
「うん、おいで」

手を繋いでちょこちょこと歩くみつと並んで歩き、クローゼットに入れば膝に絡み付いて楽しそうに服を眺め、たいしゅけのお洋服たくしゃんね、と目をキラキラさせている

みつは服も好きみたいだ



成長したらおしゃれなイケメンになるだろう

この容姿で天然のかわいさ、女の子は放っておかないだろうな

すごいプレイボーイになったりして


などと、大人になったみつを想像して、くすくす笑ってしまった


ふと思い描いたその姿はなんだか、俺の良く知っている顔に似ていたから

　

俺が着替えていると、みつもお洋服着替える、と言うのでふわふわパーカーを取り出した


「みつ、ばんざいして」
「ばんじゃい！」

もそもそと一生懸命頭と手を出そうと、パーカーと葛藤しているのが可愛い

「そう、上手だね」
とほめれば、嬉しそうに笑った






キッチンに一緒に向かい、ご飯をつくる時もぴったりくっ付いて離れない


「おてちゅだいしゅる」

「じゃあ、みつのお皿並べておいてくれる？」

「うん！」

みつ用の食器は割れなくて軽いから、怪我をする心配もなく安心して任せられる



みつのリクエストのパンケーキをお皿の上に載せるのを、期待に輝かせた目で見つめるみつ

クリームチーズとはちみつ、りんごやいちごを乗っけてあげると飛び跳ねて喜んだ



それからご飯を食べる時

「たいしゅけのお膝がいい」

と膝の上によじよじ登ってくる


いただきましゅと両手を合わせて食べ始めると、頬をぱんぱんに膨らませてもぐもぐしながら俺の顔を見上げるのがもうたまらなく可愛い



後片付けもちゃんと手伝って、お風呂に入るのももちろん一緒


シャンプーハットを被せてやればお互いに楽だと分かり、頭や身体を洗ってあげることに俺も少し慣れて来たのでこの時間も穏やかに楽しく過ぎる


離れたくないと言ってトイレに着いてきたのでクマのぬいぐるみを用意しておいて廊下で一緒に待っていてもらう

クマを抱えてちょこんと座ってちゃんと待っているみつが、なんともいじらしく見えて、クマごと抱きしめた

ほんの少し離れてもまるでずっと会えなかった恋人みたいにくっついて来るみつ


「みつはあまえんぼだね」

じっと見上げる瞳は、何かを訴えているみたいで、
なぜだかほんの少し寂しそうにも見えた

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