天使のみつ 3rd

夢の終わり1 F ページ40

観覧車のデジタル時計の時間は23時を過ぎている



もうすぐ、この夢みたいな時間が終わってしまう




「そろそろ時間だな
どうする？」


心配そうに聞く、北山



「観覧車乗らない？」






「…いいよ
藤ヶ谷が行きたいところなら、どこでも行くよ」





立ち上がった北山の後に着いて観覧車に向かって歩き出した





案内されたゴンドラに乗り込むと、ぎしぎしと音を立ててゆっくりと登り始めた


「すげー、久しぶり」

「夜は綺麗だね」


都会の街並みと、高いビル群

波に映る街の灯


向かい側にいる、北山の顔も


全てがいつもよりも美しく輝いて見える


たぶん、それはきっと、


北山と一緒にいるからなんだろう




きらきらした楽しそうなその笑顔は、

いつか見た、みつに似ていた







「……北山はさ……


ちょっとみつに似てるよ」


「え？！」


「ふふ

うん、そう、そんな顔も

時々みつのこと誰かに似てるって思ってたんだけど、


いつからか、あ、北山だって」



「……」


「天使の本は、天使の目線で書いてあるって言ってたよね

教えて欲しい

天使ってなんなの？

なんで、本を読んだだけの北山の記憶も一緒に消えちゃうの？」



「……それは……」










「……北山が……その天使と関わっているからじゃないの？」









少し前からぼんやりと考えていたことを、





とうとう北山に投げかけた

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