天使のみつ 3rd

答え合わせ2 K ページ24

「……その図書館……



奥沢の…住宅街に急に現れるアンティーク調の重厚な建物の…」







「………そこ！」






まさか…

まさか藤ヶ谷が同じ図書館に通っていて、しかもこの本を探していただなんて



「じゃあやっぱり北山が読んでいるその本は俺の探していた天使の本？」


「……

多分…そうだと思う

タイトルは『天使の生態と真実』って言うんだ」



「……は………びっくりした……

まさかこんな近くにあるなんて…」


脱力して、しばらく椅子に体を預けていた藤ヶ谷は、急に自分を取り戻したようにそう言えば、と身体を起こした


「その図書館の女性がこの書籍を探しに来る人は、大抵天使に会ったことがあると言ってたんだ

それでさっきも聞いたんだけど、
北山も天使に会った？」


「いや…直接会ったわけでは…」



なんて答えたらいいのか、このタイミングでは分からなくて、もごもごと言葉を濁す



「おれは…たまたま通りがかった図書館で、たまたま見つけて気になって借りて来たのがこの本だった

この本を探していたわけじゃなく、本当に偶然だった

読んで、初めて天使の存在を知ったんだ」
　


「そうなんだ…


それなら、教えて欲しい

どんなことが書いてあるの？

天使のこと、何か分かる？」


余裕無く見える藤ヶ谷の表情を見て、みつの為に必死なんだと胸が熱くなった


でも、自分が天使だと言うことは、言いそびれたままになってしまった

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